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元気に見えていてもじつは……犬の「隠れた痛み」を見抜くヒント

犬も、病気やケガをすると人と同じように痛みを感じます。しかし犬は痛いところがあっても言葉で伝えることができません。犬の隠れた痛みを見抜くには、毎日をともに過ごす飼い主さんの観察が何よりも大切。
獣医師の枝村一弥先生監修のもと、病気の早期発見につながる「10のチェックポイント」をご紹介します。

わずかな症状かもしれませんが注意深く観察を

とくに傷や炎症がある様子もないのに、愛犬の行動に変化が見られたら、慢性痛が隠れている可能性大。実際に慢性痛をもつ犬の行動の調査研究や、飼い主さんへのアンケートをもとにした「慢性痛を見抜く10のチェックポイント」をもとに、愛犬の行動を観察してみましょう。

ポイント1 散歩に行きたがらなくなった。散歩に行っても走らなくなりゆっくりと歩くようになった

●年齢のせいではないのかも
とくにシニア犬がトボトボ歩いていても、足腰が衰えたからしかたないと思われがち。体のどこかが痛い、動かすのがつらいなど関節の病気が原因の痛みがあるのかもしれません。

ポイント2 階段や段差の上り下りを嫌がるようになったり、その際の動作がゆっくりになった

イラスト/haradaRica
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●平地では普通に歩けていることも
階段や段差を上り下りするには、犬の足腰、背中などに大きな負担がかかります。痛みがある部分をかばって動作がゆっくりになっている可能性があります。

ポイント3 家の中や外であまり動かなくなった

●痛みのせいで行動量が低下
歩けないほどではないけれど、動くたびにちょっと痛い、といった慢性痛の症状は犬にとってつらく感じるもの。しだいに動きたがらなくなったり、元気がなくなったりします。

ポイント4 高いところへの上り下りをしなくなった

イラスト/haradaRica
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●段差の衝撃が響いているのかも
ジャンプの動きや高低差のある場所への移動は、関節や骨にダイレクトに衝撃が伝わるため、慢性痛があると自然と避けるようになります。

ポイント5 立ち上がるのがつらそうに見える

●ゆっくりした動作に
痛みがある部分を動かさない動作になります。立ち上がれない状態に気づくころにはかなり悪化していることも。

ポイント6 元気がなくなったように見える

イラスト/haradaRica
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●食欲はあることも
ゴハンは食べていてもいつもに比べてなんとなく元気がない、また体の動きが悪いときはどこかに痛みを感じている可能性があります。

ポイント7 飼い主やほかの犬と、またはおもちゃなどで遊ばなくなった

●いつもの行動に違和感が
痛みがあると遊んだり体を動かすことに消極的になります。足腰の痛みから動くことがおっくうになり、そそうをしがちになるケースも。

ポイント8 尾を下げていることが多くなった

●坐骨神経痛を疑って
ピンと立っていたしっぽがダランと下がっているといった症状には、腰の病気に加え、坐骨神経痛の症状が疑われることがあります。

ポイント9 跛行がある

イラスト/haradaRica
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●痛い部分をかばう歩き方
痛みや違和感があると、足を引きずったり、ケンケンをしながら歩くように。痛みのある足を地面につけずに、上げたままの状態でいることも。

ポイント10 寝ている時間が長くなった、もしくは短くなった

●痛みのせいで不眠になりがちに
体に痛みがあると、夜の眠りが浅くなり、そのぶんを昼間の睡眠で補おうとするため、日中寝ている時間が長くなるといった傾向があります。
立ち方や座り方がいつもと違うと感じたときも、なにかしらの痛みを隠しているケースがあるそう。ぜひ、10のチェックポイントで愛犬の「隠れ痛み」に気づいてあげてくださいね。
お話を伺った先生/獣医師。博士(獣医学)。小動物外科専門医。日本大学生物資源科学部獣医学科獣医外科学研究室教授 枝村一弥先生
参考/「いぬのきもち」2022年5月号『犬の“隠れ痛み”を見抜くヒント』
イラスト/haradaRica
文/ヨシノキヨミ
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