犬の性格によってストレスを感じやすい場面は違ってきます。今回は、「甘えん坊」タイプの犬との上手な接し方を、ドッグトレーナーの戸田美由紀先生に教えていただきました。
甘えん坊タイプはどんな犬?
撮影/尾﨑たまき
飼い主さんのことが大好きで、愛情表現が豊かなタイプ
飼い主さんといっしょにいることに幸せを感じ、かまってほしい気持ちを前面に押し出すタイプ。抱っこをせがんだり、隣の部屋に移動するときもついてきたり……。飼い主さんに注目してもらおうと自己アピールが強いです。かわいいがゆえに要求を聞きすぎていると、わがままになり問題行動も増える可能性もあるので注意が必要。
どんなときにストレス?
●留守番などで長時間ひとりで過ごすとき
甘えん坊タイプの犬は、いつも飼い主さんのそばにいて、甘えたいと思っています。なので、飼い主さんと離れなくてはいけない留守番の時間は、ストレスを感じやすいです。
●いっしょにいるのにかまってもらえないとき
留守番以外にも、同じ空間にいるのに飼い主さんがまったく遊んでくれないとストレスに。ひとりで過ごす時間が長く、飼い主さんとのスキンシップが不足するとイライラ。
●大好きな飼い主さんの機嫌が悪いとき
このタイプは飼い主さんと距離が近いぶん、より飼い主さんのネガティブな感情の影響を受けやすいです。飼い主さんの機嫌が悪いと不安に感じてストレスになることも。
どう対応すればいい?
撮影/尾﨑たまき
ひとりでいる時間も“楽しい”と思えるように自立心を高めよう
甘えん坊タイプの犬を甘やかしすぎると、「飼い主さんがいないと常に不安……」と依存心が強くなり、飼い主さんと離れているときにストレスを感じやすくなってしまいます。愛犬にとって大好きなおもちゃを見つけ、ひとりで遊ぶ時間をつくるなど、愛犬の自立心を高めるように意識して接しましょう。
たっぷり散歩したあと快適な空間で留守番させよう
撮影/尾﨑たまき
留守番を「かわいそう。大丈夫かな?」と飼い主さんが不安に思っていると、愛犬も不安になり余計にストレスに。クレート、トイレ、水を基本のセットに、ひとり遊びができるおもちゃを置いたり、いつもかけている音楽・ラジオを流したり、愛犬が休みやすい環境をつくって、安心して留守番させましょう。さらに留守番前に長めに散歩をして体力を発散させておくと◎。
かまえるときはたっぷり遊んで、かまえないときはクレートに
撮影/尾﨑たまき
飼い主さんと遊ぶことが何よりも好きなので、落ち着いているときは、声をかけたり、なでたり、たっぷりふれあって。ただし、かまえないときはクレートに入れるなどメリハリを。最初は嫌がる場合もありますが、かまってもらえないこともストレスなので、クレートに慣れさせることが結果的にストレスケアにつながります。
悲しんでいる姿やケンカの様子は見せない
撮影/尾﨑たまき
目の前で家族が言い争っていたり、子どもが叱られていたりする状況は、誰だって嫌なもの。犬も同じです。「レッスンでは『ケンカするときは場所を変えましょう』と伝えています。愛犬のことを第一に考えると、飼い主さんも冷静になりやすいですよ」(戸田先生)
いかがでしたか? 甘えん坊タイプの犬は、おねだりに常に応え続けていると、「甘えれば、必ずかまってもらえる」と覚えてわがままな性格になることもあるのだそう。自分の要求が通らないことにイライラするようになるので、状況を判断して応えるようにしましょうね。
お話を伺った先生/日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター、DOG IN TOTAL主宰 戸田美由紀先生
参考/「いぬのきもち」2020年10月号『5つの性格タイプがわかれば愛犬のストレスが解消できます!』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室