犬も年を重ねると体にさまざまな変化が起こります。犬は、一般的に7才を超えるとシニア期と呼ばれ、その頃になると今までできていた行動が難しくなる場合があります。
そこで今回は、シニア期前後で見直したほうがいいことのなかから、ごはんとおやつに関することを、犬の訪問ケア「ドッグケア スマイル」を主宰する清水佐知子先生に伺いました。
フードボウル台や滑り止めマットを使おう
床にフードボウルを直に置いた状態で食事をさせると、犬は頭をかなり下げないといけないため、首などに負担がかかるうえ、食べ物を飲み込みにくくなります。また、足元が滑ると体勢のキープが難しく、食事の途中で疲れて食べるのをやめてしまう場合も。
愛犬が元気なうちから、フードボウル台と滑り止めマットを日常的に使用して、慣らしておきましょう。
乾燥ジャーキーなど、噛むおやつも与えよう
やわらかい食べ物ばかりを与えていると、あごや口の力が徐々に衰えていき「食べたいのに口が動かなくて食べることができない」ような状態になることがあります。乾燥ジャーキーや野菜スティックなど、よく噛んで食べるおやつを与えて、自分で食べる力を養いましょう。
ただ、飲み込む力が弱っている犬の場合、おやつは噛ませるだけにして飲み込ませないようにしてください。
知育おもちゃの奥や、容器の底をなめさせよう
舌の筋肉も年とともに衰えるため、食べたり飲み込んだりしにくくなっていきます。知育おもちゃの奥のほうや深さのあるフード容器の底に、ペースト状のおやつなどを塗ってなめさせると、舌の筋力をキープさせるのに効果的ですよ。
積極的に水分をとらせよう
シニア期の犬は、水がうまく飲めなくなる、のどが渇くほど運動をしなくなるなどの理由から、飲水量が減っていきます。飲水量が不足すると体調不良を招きやすいので、いつものフードにスープをかけたり、飲み水に犬用のミルクを少量入れたりして、水を飲みたくなる工夫をしてあげましょう。
また、新鮮な水を入れたボウルを、部屋の複数箇所に置いておくのもおすすめです。
シニア犬用フードに切り替えよう
シニア犬用のフードは、衰え始めた犬の体に合わせた配合になっています。年を重ねるにつれて下痢や便秘が増えたり、食事量が変わらないのに太ってきたりしたら、獣医師に相談しつつフードの切り替えを検討しましょう。
ちなみに、シニア期に入ったからといって、必ずしもフードの切り替えをしなければいけないわけではありません。体調や体重に変わりなく、フードをスムーズに飲み込めているのなら、そのままのフードでも大丈夫です。
体の機能が年齢とともに衰えてくるのは、生き物として自然なことです。愛犬がシニア期に突入したら、ごはんやおやつ周りの環境を、今一度見直してあげましょう。
お話を伺った先生/清水佐知子先生(犬の訪問ケア「ドッグケア スマイル」主宰 動物看護師 ペットケアマネージャー)
参考/「いぬのきもち」2023年5月号『老いのサインに気づいたときが見直しどき 先手を打つ! シニア犬のお世話術』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。