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簡単セルフチェックつき!あなたの愛犬、太りすぎていませんか?

肥満のリスクは、人でも犬でも同じ。病気にかかりやすくなり、健康的に生活できる「健康寿命」が短くなってしまいます。犬が太るのは、食べ物を与えすぎている飼い主さんにも責任が。犬が太る理由と肥満度チェックの方法を獣医師の牛草貴博先生に伺いました。

犬が太る理由1 食べすぎ、つまり与えすぎ

●摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っている、だから太る

犬が肥満になるのは、ほとんどの場合、飼い主さんに原因があります。かわいくて、つい食べ物を与えてしまうことが、愛犬の食べすぎにつながっているのです。飼い主さんが食べ物をむやみに与えていなくても、ほかの家族がこっそり与えていた、ということも。
欲しがるからとむやみやたらにおやつを与えると太る一方。おやつを与える場面や量について、飼い主さんがきちんと決めてルールづくりを
欲しがるからとむやみやたらにおやつを与えると太る一方。おやつを与える場面や量について、飼い主さんがきちんと決めてルールづくりを

犬が太る理由2 ライフステージが変化しても同じフードを与え続ける

●成長期が過ぎても同じフードを与え、摂取エネルギー過多に

成長期(小型犬で10カ月、中型犬で1才、大型犬で1才半ごろまで)には、たくさんのエネルギーが必要ですが、その後の成犬期は、成長期ほどのエネルギーを必要としません。成犬期に入っても成長期用のフードを与え続けると、摂取エネルギーが多すぎて太ってしまいます。

●不妊手術後もエネルギーが同じなら太ります

避妊・去勢手術後は代謝が落ちるなどの理由で必要なエネルギー量が減ります。避妊・去勢後用のエネルギーを抑えたフードに替えて。

犬が太る理由3 ホルモンの病気が原因で太る

●病気の影響で代謝が落ち、太りやすくなる

7才以降のシニア期に入ると、病気の影響で太ってくることがあります。とくに、クッシング症候群や甲状腺機能低下症といったホルモンにかかわる病気では、おなかまわりが太ってくることも。食事量は変わらないのに、急に太ってきたなら病気の可能性も疑ってみましょう。

●病気の太り方はおなかぽっこり

食べすぎの肥満では、背中に脂肪がつきますが、病気の肥満では、背中に脂肪はつかず、おなかが張り出す太り方に。
食べすぎの肥満は背中に脂肪がつく
食べすぎの肥満は背中に脂肪がつく
病気の肥満ではおなかが張り出す
病気の肥満ではおなかが張り出す

犬が太る理由4 バランスの悪い食事で腸内環境が悪化

●肉ばかり、おやつばかりで腸内に̋デブ菌̋が増える

じつは、腸内には脂肪をためこむ通称〝デブ菌〞と呼ばれる菌が存在していて、その菌が増えると太りやすい体質になってしまうのです。肉などのたんぱく質を多量に与えたり、主食よりもおやつばかりを与えたりしていると、腸内環境が乱れ、〝デブ菌〞が増えるおそれもあります。

肥満度をチェックしよう!

愛犬の体型をチェックしたことはありますか? 犬の肥満の判断には、体重だけでなく体型も重要です。愛犬の体型は適切か、それとも肥満傾向なのか、今すぐチェック!

Check1 飼い主さんが目で見て触れてボディチェック

●犬の肥満は体重だけで判断せず、体型もあわせて判定

 同じ犬種でも、骨格や筋肉量などが異なるため、標準体重に当てはまることより、体型が重要。ボディ・コンディション・スコア(下図)を参考に、愛犬の体型をチェック。
理想の体型
イラスト/オガワナホ
イラスト/オガワナホ
・上から見て腰のくびれがある
・余分な脂肪はなく、肋骨を簡単に触れる
・横から見ると腹部がつり上がっている
肥満犬の体型
イラスト/オガワナホ
イラスト/オガワナホ
・腰のくびれがあまりはっきりしない、または腰のくびれがない
・余分な脂肪が多いがなんとか肋骨に触れる、または脂肪におおわれ肋骨を触れない
・腹部のつり上がりがややある、または腹部のつり上がりはなくふくらんでいる

理想の体型なら今の体重でOK! 1才ごろの体重を目安にしても

愛犬の体型が上記の理想体型だったら、今の体重がベストと考えていいでしょう。一般的には、避妊・去勢手術後に太らせないようにしていた場合、1才ごろの体重が適正体重だといわれています。

Check2 悩んだとき、疑わしいとき獣医師に判断してもらう

●客観的な判断も大事。愛犬の体型判断に迷ったら獣医師を頼りましょう

長毛や被毛の量が多いなどでチェックしてもよくわからなかったり、もしかしたら肥満かもと思ったりしたら、獣医師に判断してもらいましょう。飼い主さんの判断は甘くなりがちなので、ぜひ動物病院で正しく診断してもらって。
いかがでしたか? コロコロとした姿はかわいいですが、肥満は命にかかわる病気を引き起こしたり、呼吸器障害、関節への負担などなど、ほおっておいてよいことはありません。今すぐ飼い主さんが意識改革するようにしましょう。
お話を伺った先生/獣医師、博士(獣医学)、関内どうぶつクリニック代表、動物再生医療センター病院技術顧問 牛草貴博先生
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『「ぽっちゃり」はかわいいけれど……肥満は思っているよりずっと怖い!』
イラスト/オガワナホ
文/伊藤亜希子
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