犬が飼い主さんをなめるのには、いろいろな理由があります。そこで今回は、飼い主さんをなめる犬の気持ちについて、家庭犬しつけインストラクターの西川文二先生にお話を伺いました。
「好きだよ!」
犬が飼い主さんの顔をなめるのは、子犬と親犬のような愛情や信頼のしぐさとされています。飼い主さんを母犬のように慕い、「大好き」「うれしい」と感じていることが多いでしょう。これは子犬が離乳期に母犬をなめて、ゴハンをもらう行為の名残といわれています。
「かまってほしい」
顔をなめたときに飼い主さんがなでたり喜んだりしていると、犬が「なめたらかまってもらえる」「飼い主さんが喜ぶ」と期待して、なめるようになる場合もあります。また、飼い主さんが「なめないで!」と騒いでいたとしても、犬は「反応してもらえた」と嬉しく感じて、さらになめることもあります。
「自分は弱い存在だよ」
叱られたときなどに、「闘うつもりはない、自分はあなたより弱い存在だよ」という気持ちで飼い主さんをなめることもあります。これは本能的な行動が相手をなだめるしぐさに変化したもので、飼い主さんを下からなめることが多いようです。
「あっ、おいしいぞ」
飼い主さんの口のまわりに食べ物のニオイなどがついていて、それを目当てに熱心になめる場合もあります。「ここに近づくと、おいしい味やニオイがすることがある」と犬が覚えれば、なめる行動を繰り返すようになるかもしれません。
愛犬がふだんよくしているしぐさには、犬の気持ちが表れています。同じ「なめる」しぐさでも状況によって理由はさまざまですので、ぜひ愛犬の気持ちを読み取るヒントにしてくださいね。
お話を伺った先生/西川文二先生(「Can! Do! Pet Dog School」代表)
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『しっぽを振るのは“うれしい”ときだけじゃない!? よくある愛犬のしぐさ じつは意外なきもちだった!』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※内容をわかりやすくするために部分的に擬人化した表現を用いています。ご了承ください。