ストレスが愛犬の健康に悪影響を及ぼすことは知っていても、「これってストレス?」と迷うことがありますよね。『いぬのきもち』読者がいだいている犬のストレスに関するギモンや不安について、獣医師でドッグトレーナーの藤本聖香先生に教えていただきました。今回は「散歩編」です。
Q.散歩嫌いな犬は、散歩に行くこと自体がストレス?
A.はい。でも散歩に慣れさせないともっとストレスだらけに
散歩が嫌い=外に出ることが苦手な犬は、たしかに散歩そのものがストレスです。しかし、だからといって散歩へ行かずにいれば、ますます外が苦手になり、家の中にいても窓の外が怖くて、毎日ストレスフルに。往来の少ない場所や時間帯を選んで歩くなど、少しずつでいいので散歩に慣れさせて。
Q.散歩に連れていかない日はストレス?
A.日ごろ散歩している犬ならストレスに。室内で遊んで発散を
ほぼ毎日散歩へ行っている犬なら、散歩に出られない日はストレスです。体力も発散できないのでより欲求不満となり、ストレスに。散歩の代わりに室内で「獲物を追いかける」「獲物を引っ張ったり振り回す」といった「狩り」に似た行動ができる遊び、たとえば引っ張りっこ遊びやおやつ探しゲームなどをすると発散に役立ちます。
Q.散歩コースが毎日同じだとストレス?
A.むしろ安心。刺激への耐性のためにコースを逆回りに歩いても
毎日同じコースなら犬は安心して散歩ができます。ただそれだと刺激への耐性がつかないので、超怖がりな犬ではない限り、たまにはコースを変えて刺激を与えるといいでしょう。新しいコースにチャレンジすることで、ストレスに立ち向かう耐性の向上に役立ちます。ふだんのコースでも逆回りに歩くだけでいい刺激に。
いかがでしたか? 人と暮らすうえで少なからずストレスを感じてしまうのは仕方がないかもしれませんが、そのストレスをできるだけ減らせるよう、飼い主さんが配慮してあげたいですね。
お話を伺った先生/英国APDT 認定ペットドッグトレーナー。獣医師 藤本聖香先生
参考/「いぬのきもち」2023年10月号『犬ストレスのギモン一問一答』
イラスト/小栗麗加
文/いぬのきもち編集室