犬の健康にも関係する歯や被毛のお世話。今回は、「いぬのきもち」で実施した読者アンケート(※)をもとに、歯石除去手術・トリミング・サマーカットは犬にとって必要か不要か、「石田ようこ犬と猫の歯科クリニック」院長の石田陽子先生に伺いました。
※「いぬのきもち作り隊」の読者へのアンケート(計191人、2024年7月実施)を集計した結果です。
歯石除去手術は犬にとって必要?
必要派の意見
- 「毎日歯みがきをしていてもどうしても歯石がついてしまうから」
- 「歯周病で生活に支障が出るリスクを考えると、麻酔をしてでもきれいにしてもらいたい」
- 「歯石がつきすぎて、先代犬の歯が折れたことがあるから」
不要派の意見
- 「麻酔が怖いのでそこまではしたくない」
- 「一度取ってもまたついてしまうし、麻酔してまで除去はしたくない」
- 「歯石がたまらないよう毎日しっかり歯みがきをしているから」
【読者の傾向】
「わからない」派が半数以上と、読者のなかでは犬の歯石除去について、まだあまり浸透していない結果に。必要派は、愛犬が将来的に歯周病になってしまうリスクを軽減したいと考える人たちが集まっていました。
【先生からのアドバイス】
歯の健康は犬の寿命に直結します。検査で全身麻酔をすることに問題がなければ、歯石除去手術を取り入れることも選択肢のひとつです。ただし、まずは歯みがきを徹底し、歯石にさせないことのほうが重要です。動物病院開催の「歯みがき教室」に参加してみるのもよいでしょう。
トリミング・サマーカットは犬にとって必要?
トリミングは必要?
必要派の意見
- 「愛犬はプードルなので、月1回は切らないとモワモワになる」
- 「毛が長すぎると汚れもつきやすくて不衛生なので」
- 「耳のあたりの毛が長く、耳に水が入って病気になったことがあるから」
不要派の意見
- 「短毛種なので」
- 「ありのままの姿でいてほしい」
- 「必要か不要かは犬種によると思う。うちのコは不要」
【読者の傾向】
トイ・プードルなど、シングルコートの犬ではトリミングが必要になるため、どんな犬種と暮らしているかで結果がわかれました。必要派では、毛のカットのほか、爪切りなどをしてもらうためにサロンに通っている飼い主さんも。
サマーカットは必要?
必要派の意見
- 「夏は少しでも涼しくしてほしいので」
- 「シニアになって体温調節が難しくなったように思うから」
- 「昨今の猛暑に対応するためには必要だと思う」
不要派の意見
- 「日光が当たりやすくなって、皮膚に負担をかけそう」
- 「あまりカットすると生えてこなくなるといわれたので」
- 「夏は家の中を涼しくしているから」
【読者の傾向】
ふだんトリミングを行う飼い主さんでも、サマーカットでは不要派が多い結果に。見た目は涼しそうに見える一方で、一度切ったら毛が生えてこなくなったという飼い主さんや、冷房があるので充分と回答した人もいました。
【先生からのアドバイス】
シングルコートの犬にはトリミングが必要ですが、夏は冷房の効いた涼しい室内で過ごす犬が多いと思いますので、サマーカットは基本的に必要ないと考えます。犬の皮膚は人の顔の皮膚より薄いので、被毛が短すぎると直射日光でダメージを負う可能性もあります。
やったほうがいいお世話と、やらないほうがいいお世話を把握し愛犬へのお世話してあげましょう。
お話を伺った先生/石田陽子先生(「石田ようこ犬と猫の歯科クリニック」院長)
参考・写真/「いぬのきもち」2024年12月号『みんなの意見に「なるほど」がいっぱい!賛否両論あるお世話、これって必要?不要?』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性がない場合もあります。