毎日一緒に過ごしていると、愛犬の体の異変に気づかないことも。少しの変化も見逃さないためには、愛犬の「いつも」を知ることが大切です。今回は犬の体重の量り方や体型の見方について、獣医師の南直秀先生に教えていただきました。
「いつものうちのコ」を知ることが、予防医療の第一歩!
愛犬の体の異常にいち早く気づくためには、平常時の状態を知ることが大切です。たとえば平熱が正常範囲内であっても、もともと平熱が低めのコの場合は体温が1℃高いだけでつらく感じることもあります。平均値でなく、「うちのコのいつもの状態」を把握して健康管理に役立てましょう。
体重の量り方
体重を量ることで、肥満や病気がわかります。週に1回を目安にチェックしましょう。
体重計の上にオスワリさせるほか、飼い主さんが抱っこした状態でのったあと、飼い主さんの体重を引くという方法もあります。体重の軽い小型犬の場合は、50g単位まで量れる体重計がおすすめです。
また、ときどき動物病院でチェックしてもらうとGOOD。家庭用のものより精密な数値が分かる体重計を使って測定してもらえます。数グラム単位で異常が見つかることもあるので、定期的に動物病院で量ってもらうと万全です。
体型の見方
犬が適正体型かどうかは、BCS(ボディ・コンディション・スコア)と呼ばれる方法で調べます。愛犬の体を上から見たときに腰がくびれているか、横から触れたときにあばらの骨がどれくらい浮き出ているかで判断しましょう。
また、体が左右対称かどうかもチェックして。背骨を軸に見たとき、腰が片方に傾いている、片方のあばらだけ強く浮き出ているなど左右差がある場合は、骨の歪みなどの異変が隠れている可能性もあります。
とはいえ、愛犬の体を触って肥満や痩せすぎを判断するのはなかなか難しいもの。体重と同じように、定期的に獣医師にチェックしてもらうと安心です。
平常時の色や形も知っておこう
犬の体の変化は、体重など数字で見えるもの以外にも、色やニオイ、手で触れたときの感触にもあらわれます。愛犬の体調が万全なタイミングでチェックして、できるだけ詳しく書き留めて状態を把握しておきましょう。
<記録の例>
皮膚の色は?:例/白っぽい色
ニオイは?:例/ポップコーン
耳の内側の色は?:例/赤みがかったピンク
毛の触り心地は?:例/ふわふわ
愛犬のいつもの状態を把握できるのは飼い主さんだけ。定期的に愛犬の状態を記録し、少しでも気になることがあれば獣医師に相談しましょう。
お話を伺った先生/南直秀先生(東京動物医療センター副院長)
参考・写真/「いぬのきもち」2024年11月号『平熱、心拍数etc.「いつもの数字」がわかれば異変に気づける!うちのコのからだを知ろう』
文/柏田ゆき