愛犬と一緒に電車に乗れるようになると、お出かけもさらに充実することでしょう。そこで今回は、愛犬と一緒に電車に乗るために必要なマナーや、各鉄道会社の料金やルールについてご紹介します。クレート練習や、電車に慣らすための方法もあわせて解説します!
犬は電車に乗れるの?料金はいくら?
犬は電車に乗れる?
犬が人と一緒に電車に乗ること自体は許可されていますが、そのためにはルールに従わなければいけません。このルールは鉄道会社によって内容が異なるため、乗車予定のある鉄道会社の「犬と乗車する場合のルール」を必ず事前に調べましょう。
犬が電車に乗る時に料金はかかるの?
犬の「持込運賃」は、鉄道会社ごとに異なります。たとえば、東京メトロなど首都圏の私鉄各社であれば、ほとんどの場合が「無料」ですが、JRは全国共通で「280円」が必要になります。また、関西地方の私鉄各社もほとんどが「280円」と有料となっています。(※2018年5月時点)持込運賃が変わるケースもあるので、「直前に」調べておくことをおすすめします。
クレートが苦手な犬は事前に練習で慣らしておく!
ケースは必須!細かなルールは絶対に調べて
鉄道会社ごとに乗車ルールがあるとお話しましたが、ほとんどの場合、犬を持ち込む際にはクレートやキャリーバッグなど、適切なケースに入れることを原則としています。ちなみに、ペットカートやスリングを禁止しているケースも少なくないので、ケースのサイズや形状、素材に至るまで、細かなルールを調べておきましょう。
電車に乗るにはクレートなどに慣れる必要あり
このように犬をケースに入れなければ電車に乗れないため、あらかじめ愛犬をクレートやキャリーバッグに慣れさせておく必要があります。そこで、他の場面でも役立つ「クレートに慣れさせる方法」をご紹介します。
クレートに慣れさせる方法
① クレートの下の部分だけを残して、フードで誘導しながら愛犬を中に入れます。問題なく入ってくれたら、握っていたフードを与えましょう。
② クレートの上の部分を3分の1程度かぶせ、今度はその状態で愛犬を中に入れます。このとき、上の部分が落ちて大きな音がならないように手で固定するのがポイント。
③ ②で愛犬が中に入れたら上の部分を全部はめて、クレートを本来の形に組み立てましょう。そしてクレートの中にフードを投げて、愛犬を入らせます。中に入ったら、クレートの横の通気口から立て続けにフードを落とし入れます。
④ ③の段階で愛犬が「この中にいるといいことがある」と理解すると、出てこなくなります。そのタイミングで扉を閉め、今度は扉の隙間からフードを落とし入れましょう。
⑤ 扉を閉めても愛犬がおとなしくできたら、飼い主さんの姿が見えないように扉に布をかけ隠します。もう一度、横の通気口からフードを落とし入れて、この状態にも慣れさせましょう。
⑥ クレートからそっと離れてみてください。少し離れては戻るを繰り返し、徐々に離れている時間を長くしましょう。
犬は狭く暗い場所を好む傾向にあります。この練習方法でクレートに慣れれば、ハウスのしつけにも繋がりますよ。ぜひ実践してみてくださいね。
愛犬と一緒に電車に乗る練習をしよう!
たとえクレートやキャリーバッグに慣れていても、駅構内や車内は犬が普段聞きなれない音やニオイであふれているため、警戒心や恐怖心から暴れて吠えたり、鳴いたりしてしまうこともあるでしょう。そのため、電車に乗る練習を事前にしておくと安心です。
電車に乗る練習方法
① フード入りのおもちゃを舐めさせながら、録音した電車の音や市販されている電車の効果音CDなどを聞かせましょう。小さな音から始めて、徐々に大きくしながら電車の走行音やホームの雑音に慣れさせます。
② 混雑する時間帯や車両を避けて、足元にクレートやキャリーバッグを置いて一駅だけ乗車してみましょう。クレートの場合は、愛犬が中で落ちつきやすいように目隠しの布などをかけてあげてください。
③ 駅について電車を降りたら、改札を出ましょう。そして迷惑にならない場所で愛犬を外に出し、排泄させたり水をのませたりして、リフレッシュさせてあげてください。愛犬が落ち着いて待てそうなら、練習がてらもう一度電車に乗って、元の駅に戻るのもおすすめです。
④ ①~③ができたら、二駅、三駅と、電車に乗っている時間を少しずつ長くして慣れさせます。子犬の場合は車内での粗相を防ぐためにも、月齢+1時間を目安に降車し、駅の外に出て排泄させるようにしましょう。
このようにして電車に乗れるようになると、車がなくてもお出かけの幅が広がりますよ。もしも練習中に車内で吠えてしまったら、音に慣らす練習からやり直してみましょう!
電車に乗せる際の注意点
冒頭でご紹介した通り、愛犬と電車に乗る際には、各交通機関の定めたルールを守る必要があります。それ以外に「愛犬家」として守るべきマナーや注意事項もあるので、頭に入れておきましょう。
できるだけ人の少ない時間帯を選ぶ
犬が苦手な人への配慮としてはもちろん、愛犬に負担をかけないためにも、できる限り人が少ない時間帯に乗り、人が少ない車両を選ぶようにしましょう。
クレートの置く場所に注意!
車内がすいているなら、座席に座って膝の上にクレートやキャリーバッグを置いても問題ありませんが、もし隣に人が座っているなら足元に置きましょう。手荷物棚や空いている座席シートに置くのは絶対にNGです。足元で愛犬が落ち着かないのであれば、練習の時のように布をかぶせてあげましょう。
他にも直射日光や冷暖房が直接当たるような場所にクレートやキャリーバッグを置くと、体調を崩してしまうことがあるので注意してください。
ケースから顔を出さない
苦しそう、かわいそうという理由で、キャリーバッグのふたを少し開けて愛犬の顔だけ出させる人がいます。しかしこれはルール違反。愛犬が苦しそうにしていたり鳴いたりしたら、一度下車するのがマナーです。
犬の存在に気づかれない工夫も大事
座席に座らないで隅の方に立つ、クレートには必ず布をかけて中が見えないようにするなど、犬の存在を他の乗客に気付かせないための工夫も大切です。これは犬が苦手な人への配慮になる一方で、犬好きの人から声をかけられないようにする対策にもなります。車内では犬の存在に気づかれない方が、トラブルの予防にもなりますよ。
このように、愛犬と電車に乗るためには、事前の準備が求められます。その過程は大変でしょうが、トラブルを起こさずに目的地にたどり着くためには必要なこと。必ず下調べと事前練習を行ってから電車に乗るようにし、楽しいお出かけにしてくださいね!
参考/「いぬのきもち」2018年1月号『12回で基本をすべてマスターできる!はじめてしつけコンプリートドリルvol.11車の乗せ方・お出かけ』(監修:「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
「いぬのきもち」2017年3月号『12回で基本をすべてマスターできる!はじめてしつけコンプリートドリルvol.1トイレ&ハウス』(監修:「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。