目の前でボールを転がしたり、散歩中に道に落ちていた葉っぱが風で動いたりすると、犬がすばやく反応して追いかけていくことはありませんか? このような犬の行動には、野生時代のある習性が関係しているようです。今回は獣医師の増田宏司先生に、犬が動くものを追う理由を伺いました。
犬はどうして動くものを追うの?
犬には「動くものを追いかけたい」という習性があります。これは、かつて犬が狩りをしていたときの名残によるもの。犬は動くものを“獲物”と感じているので、「追いかけて捕まえなくちゃ!」と思い、とっさに体が反応してしまうのです。
犬は動くものがよく見えている
ちなみに、犬はかつて狩りをしていたときの名残で、視野は広めで夜目が利くうえ、動くものを追う動体視力が優れています。一般的に犬の視力はあまりよくないと考えられていますが、動くものはよく見えているのです。
飼い主さんの動く足も追ってしまうことが
なかには、飼い主さんが歩いているときの動く足やスリッパなどが気になって、追いかけようとする犬もいます。これは、好奇心旺盛な犬や子犬などによく見られるしぐさです。
愛犬が動くものを追うときはこうしよう!
散歩中はバイクや車、ほかの動物など、動くものに遭遇する機会が多くなりますよね。愛犬が突然かけ出していかないよう、リードは短めに持ち、しっかり握っておきましょう。
犬が動くものをつい追ってしまうのは、野生時代に狩りをしていたときの名残ということがわかりました。動体視力が優れている犬は、動くものを追うことに長けていますので、刺激が多い散歩中などは、愛犬がかけ出していかないよう気をつけてくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『犬のオモシロ習性図鑑 VOL. 09 動くものを追っちゃう♪』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。