私たちの視線よりもずっと低い、地面にかなり近いところで物を見ている犬たち。散歩中の犬の視線を疑似体験してみたら、気をつけたほうがいいポイントも見えてきました! ドッグトレーナーの西川文二先生のアドバイスとともにご紹介します。
ほかの犬と遭遇
自分より大きな犬はそれなりに“圧”を感じる!
自分よりも体高の高い犬が目の前に来ると、やはり大きく見えて迫力もあります。愛犬がほかの犬が苦手なタイプなら、相手の存在感に強い恐怖を覚えるかも。あいさつさせようと無理に正面から近づけないで。
人通りの多い場所
目の前には足! 足! 混雑しているところでは蹴られそう
人混みの中を歩く際、犬の目には人の足ばかりが映っているはず。不規則に動くたくさんの足の間を縫うように進まなければならず、場合によっては不意に蹴られる危険も。慣れていない犬は、人混みは避けるか、抱っこで移動したほうが安心。
急接近する小さな子ども
声を出して突進してくる子どもは得体の知れない存在だった!
声を上げながら突進してくる子どもは、犬にとってミステリアスな存在。手を出されるなどして恐怖心や警戒心が頂点に達すれば、吠えたり噛んだりする危険も。慣れていない犬は、子どもが近づく前にその場から離れて。
※モデルには演じてもらっています。
歩道橋の階段
急な階段は、上りも下りも垂直に感じられて怖い!
歩道橋のような急な階段では、上りは小さな壁が空に向かっていつまでも続くように見えます。下りは段差がわかりにくいうえ、垂直に落ちていく感覚。本当に落ちると危険なので、とくに持病がある犬やシニア犬はリードを短く持ち、愛犬の歩調に合わせて一歩ずつ歩くようにして。また足腰にも負担がかかるので、急な階段を何度も上り下りさせることは避けましょう。
踏切のレール
レール部分は犬にとって足を踏みはずしかねない“溝”だった!
目の前に延びる金属のレールは、犬にとって異質なものに見えて本能的に避けたいと感じます。さらにレールに沿った凹みは、犬からすると足がはまりそうな深い溝。あわてて渡ろうとすると本当に踏みはずしてケガをするかもしれないので、声をかけながら溝を飛び越えさせて。
犬の目線になってみると、散歩コースにも危険がたくさんあることを改めて感じることができます。ぜひ、散歩中の注意点として覚えておいてくださいね。
お話を伺った先生/しつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生
参考/「いぬのきもち」2024年4月号『いぬ目線散歩』
写真/殿村忠博
文/いぬのきもち編集室
※この記事では、犬の目線の高さに合わせて撮影していますが、視界や焦点の合い方、色彩など、実際の犬の見え方とは異なります。