犬は野生時代から集団で生活していたため、猫のように気ままではありませんが、状況や環境によって気分は移り変わります。愛犬の「気分」を汲み取ってあげることは、飼い主さんとの信頼関係が強まることにもつながりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
くっついてきたり、なめてきたりする場合
Case1 飼い主さんにくっついて寝るときは?
飼い主さんに体の一部をくっつけて眠るときは『子犬気分』です。野生のころの子犬は、ほら穴などの中で母犬にくっついて寝ていました。飼い主さんにくっついていると母犬に守られているようで安心して眠れるのです。飼い主さんも癒されますね。
Case2 顔をなめてくるときは?
犬同士でなめ合っているときは、親愛の情を伝えようとする『仲間気分』。飼い主さんの顔をなめるのは、野生の子犬が母犬の口元をなめて食べ物をねだっていたころの名残で、『子犬気分』でしょう。
Case3 抱っこをせがんでくるのは?
抱っこは体が地面から離れるので、犬にとっては本来不安なもの。抱っこをせがむのは野生を忘れた『飼い犬気分』といえます。飼い主さんに身を委ねる抱っこが大好きということは、飼い主さんをとても信頼しています。
Case4 近くを通ると寝ているのに起きてついてくるのは?
一見飼い主さんにくっつきたい子犬気分のようですが、ちょっとしたことで目を覚ますのは、警戒心が強い犬に見られる行動。周りを警戒する『野生気分』と、飼い主さんにくっついていたい『子犬気分』が入り混じっているのかもしれませんね。
近くにくる場合
Case1 飼い主さんを起こしに来るのは?
大好きな飼い主さんと遊びたくて誘いに来ている『仲間気分』です。「朝だよ!早く楽しい散歩に行こうよ。」と起こしに来ているので、応じてあげると愛犬も喜びます。飼い主さんにとってもいい健康習慣になりますね。
Case2 散歩中に飼い主さんの陰に隠れる
苦手な人や犬に出くわしたときなどに、飼い主さんの後ろに隠れることがありますよね。これは、「守って!」と子犬が母犬に頼る『子犬気分』です。怖がる必要がない場合は、「大丈夫だよ」と優しく教えてあげましょう。
Case3 具合が悪そうにしているとそばに来るのは?
飼い主さんの様子がふだんと違うことを感じとり、「どうしたの?」と気にかける『仲間気分』。飼い主さんが泣いているときなどにそばに来るのも同じ心理です。「大丈夫だよ」と声をかけ、愛犬を安心させてあげましょう。
Case4 玄関に見送りに来るのは?
子供を見送る親気分?それとも母犬と離れたくない子犬気分?と思いますが、共に暮らす住みかから仲間を見送る『仲間気分』といえます。「一緒に行きたいな」と、うらやましい気持ちで見送っているのかもしれませんね。
愛犬の気持ちを理解しようとすれば、飼い主さんのことがもっと好きになってよりよい信頼関係を築くことができます。ふだんから、愛犬とスキンシップをとって絆を深めていきましょう。
参考/「いぬのきもち」2015年12月号『子犬?仲間?それとも野生……?しぐさ、行動からひもとく!今、愛犬は何気分?』(監修:哺乳類学者 川崎市環境影響評価審議会委員 日本動物化学研究所所長 今泉忠明先生)
文/Richa
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。