愛犬が唸ると、心配になったり不安になったりする飼い主さんも多いでしょう。しかし、犬が唸る理由はひとつではないため、対応を間違えると唸りグセがついたり、ほかの問題行動を引き起こしたりするおそれも……。ここでは、犬が唸る主な理由とその対処法の一例をご紹介します。
取られたくない……! 所有欲による唸り
犬はおもちゃなど、自分のお気に入りのものが奪われそうになると、唸り声を上げて相手を威嚇することがあります。この場合、エスカレートすると噛むなどの問題行動に発展する危険性があるので、しっかりとしつけることが大切です。
お気に入りのものとおやつを交換しよう
おもちゃを取ろうとして唸る場合は、おやつを見せて「ちょうだい」と声をかけ、そのおもちゃとおやつを交換しましょう。もしおやつを持って近づいても唸るようなら、犬が落ち着くまで待ってからおやつを与えてください。
これを繰り返すことで、「唸るのをやめる=よいことがある」と犬に覚えさせるのです。
入ってくるな……! 縄張り意識による唸り
もともと群れで暮らしていた犬は、縄張り意識が強い動物。そのため、知らない犬や人が自分の縄張りに勝手に入ってくると、警戒したり、相手を追い払おうとしたりして唸ることがあります。この場合、本能的な行動なのである程度は仕方のないことですが、問題行動につながることもあるので注意が必要です。
おやつを与えながら対面させよう
来客時に唸るときは、おやつを与えながら対面させ、来客に対してよい印象をもたせることがポイント。苦手な人を作らないよう、子犬のころから根気よくしつけるようにしましょう。
もうやめて……! 嫌悪感や不快感よる唸り
お手入れなどの苦手なことをされると、その嫌悪感や不快感から逃れるために唸る犬もいます。信頼している飼い主さんであれば、ある程度受け入れることもありますが、その限界を超えると唸る以外の問題行動をとるケースも。
おやつを与えながらお手入れしよう
苦手なことがお手入れの場合は、よいイメージを持たせるためにも、おやつを与えながらお手入れを行ってみてください。ただし、どうしても嫌がる場合は無理強いはせず、プロにお願いすることも検討しましょう。
なお、犬は「痛み」が原因で唸ることもあります。体を触ったときに犬が唸り声を上げて苦しそうにしていたら、全身を確認し、獣医師に診てもらってください。
触らないで……! 恐怖心による唸り
犬は身の危険や恐怖を感じると、唸ってどうにか対処しようとすることがあります。虐待や体罰など、過去の辛い経験からこのような行動をとることもあるので、慎重に向き合う必要があるでしょう。
犬の目線の下からおやつを与えてみよう
人の手を怖がるという場合は、犬の目線よりも下に手を置いて、その手からおやつを与えてみましょう。そして、触れそうなときは、犬の目線の下から軽くなでてみてください。これに慣れたら、なでるたびにおやつを一粒与える行為を毎日少ずつ繰り返し、時間をかけながら犬に触れる時間を長くしていきましょう。
楽しくて興奮して唸ることも? 犬が唸る理由はさまざま
犬は楽しくて唸ってしまう場合もあります。飼い主さんと一緒に遊んでいる最中に、犬がしっぽを振って唸る場合は、楽しさのあまり唸り声が出てしまっているのでしょう。
一緒に遊んで楽しむこと自体はとてもよいことですが、興奮し過ぎは要注意!「マテ」などの指示を出して、一度クールダウンさせてあげましょう。
このように、犬が唸る理由はさまざまです。まずは、愛犬がどうして唸っているのか、状況などから原因を見つけることが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師監修|犬が唸る理由とは? ケース別のやめさせるしつけも解説!』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。