5月になると平均気温が20℃を超え、さまざまな虫たちが活動的になります。今回は、そのなかでも犬の病気の原因となりやすい3つの虫、ノミ・ダニ・蚊(フィラリア)の特徴や予防法、早期発見のコツについて解説します。
暖かい季節に気をつけたい3大寄生虫
ノミ
ノミは草むらだけでなく、室内のカーペットやソファなどに生息し、犬の体に飛び移って寄生します。ノミが吸血した際の唾液によるアレルギー反応で、「ノミアレルギー性皮膚炎」を発症することがあり、かゆみや赤み、湿疹、脱毛などの症状があらわれます。
ダニ
ダニが原因で犬によくみられるのが「マダニによる寄生」です。マダニは犬の体温や二酸化炭素に反応し体に飛び移り、目や口、肛門周りなど、皮膚の薄い部分に寄生して吸血します。かゆみは少ないものの、皮膚炎をおこしたり、数が多いと貧血になったりすることも。
さらに、ミミヒセンダニが耳道に寄生する「耳疥癬症(みみかいせんしょう)」も犬に多い病気です。黒い耳アカが特徴で、激しいかゆみで耳をしきりにかいたり、頭を振ったりといったしぐさがみられます。
蚊(フィラリア症)
蚊がもたらす病気といえば、フィラリアに感染した蚊に吸血されることで犬が感染する「フィラリア症」があります。フィラリアの成虫は犬の心臓にすみつくため、感染すると、心臓の機能が低下し、咳が出たり運動を嫌がったりすることも。
重症化すると命の危険もあるため、注意が必要です。
寄生虫予防の心得とは?
予防薬を使う
地域にもよりますが、フィラリアは蚊が活動する4月中旬~5月に予防をはじめ、11月~12月ごろに終えるのが一般的です。また、ノミ・ダニは冬でも暖かい室内で活動していることがあるため、一年を通して予防したほうがよいでしょう。
なるべく虫が少ない場所を歩く
お散歩やお出かけの際は、なるべく虫と接触しないように気をつけましょう。草むらや山の中など、草木が生い茂っている場所は虫が出やすいので要注意。また、川や湖などの水辺には蚊が発生しやすいので、できるだけ避けるようにしましょう。
お出かけや散歩の前後にはしっかりケア
定期的な予防薬に加え、外に出る前に犬用の虫よけスプレーを使うとより予防効果が高まります。また、お出かけから帰ったあとは、体や足の汚れを拭き、マダニが愛犬の体についていないかもしっかりチェックしましょう。
ブラッシングやシャンプーは定期的に
シャンプー不足で皮脂がたまり蒸れている状態は、ノミやダニの温床になりがち。毎日ブラッシングをおこない、定期的にシャンプーをしてノミやダニを除去しましょう。自宅でシャンプーをする場合は地肌までよく乾かし、保湿剤を使うと◎
長毛種は定期的にカットし、通気性をよくすることで予防につながります。
早期発見するために
ノミやダニが寄生したときは、かゆみを感じることが多いため、体をしきりにかく、特定の部分をなめる、ブルブルと体を振る、体をこすりつけるなど、かゆみを解消しようとする行動がみられます。そのほか、皮膚に赤みやフケが出たり、脱毛したりすることも。このようなしぐさや症状がみられたら早めに受診しましょう。
また、フィラリア症は症状が出ないことも多いため、毎年投薬を開始する前には必ず血液検査をおこない、感染の有無を確かめることが大切です。
寄生虫による犬の病気は、薬によって予防できるものばかりです。しっかりと予防して、これからの季節に備えましょう!
参考/「いぬのきもち」2018年5月号『データで解析!今月の予防したい犬の病気(第12回 ノミ・ダニ、フィラリア予防』(監修:フジタ動物病院院長 獣医学博士 藤田桂一先生、フジタ動物病院獣医師 木元美樹先生)
文/AzusaS
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。