犬はしぐさや行動で気持ちを伝えます。なにか嫌なことがあるときも、飼い主さんにサインを見せているかも。
今回は、犬が「イヤだ!」という気持ちを伝えるときに見せているしぐさや行動について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬が「イヤだ!」と思っているときのサイン3つ
犬がストレスを感じたとき、自分や相手の気持ちを落ち着かせようとして見るしぐさを「カーミングシグナル」といいます。これはすなわち、犬が「イヤです」といっているサインともいえます。
このしぐさの例としては、以下の3つのようなものがあります。
①体をブルブルとふる
抱っこされたくないとき、トリミングなどで長時間拘束されたときなどに、体をブルブルとふることが多いです。嫌なことを我慢した後に、「やっと終わった」という気持ちでしょう。
②あくびをする
動物病院の診察台の上に乗っているときや、お手入れの最中など、犬が不得意なことをされているときに、あくびをすることがあります。
こわばった表情筋をゆるめて、リラックスさせる意味合いも。
③地面のニオイを嗅ぐ
苦手な犬を見つけたとき、トレーニングに飽きたときなどにストレスを感じて、地面のニオイを嗅ぐことがあります。
それにより「ニオイを嗅いでいるだけだから、今はかまわないでほしい」と伝えて、その場を切り抜けようとしています。
犬の「イヤだ」のサインは、体全体・表情を総合的に見て判断しよう
犬が「イヤだ」と伝えているサインは、状況によって違う意味を持つ場合があります。愛犬の表情や体全体を観察して、総合的にチェックすることが必要です。
ひとつのサインだけにとらわれないようにしましょう。
犬に「イヤだ!」のサインが見られたときの対応は?
上記のように犬が「イヤだな」と感じるシーンはさまざま。たとえば、「トレーニング中」「初対面の人や犬に会ったとき」「お手入れ中」に嫌そうなサインが見られたら、飼い主さんは次のような対応をしてみてください。
トレーニング中に「イヤだ!」サインが見られたら…
トレーニングをしているときに「イヤだ」のサインが見られた場合は、トレーニングの集中が切れた証。休憩をはさむとよいでしょう。
初対面の犬や人を見て「イヤだ!」サインが見られたら…
初対面の犬や人に会ったときに嫌な素振りを見せたら、無理に近づけたりせずに、愛犬の距離感に任せるとよいでしょう。
お手入れ中に「イヤだ!」サインが見られたら…
もしお手入れを嫌がっているようであれば、おやつを与えるなどほかのことで気をそらすとよいでしょう。
愛犬のしぐさから、いまどんなことを思っているのか気づいてあげられたらいいですよね。ぜひ、日頃から愛犬のしぐさ、行動をよく見てあげるようにしてください!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami