犬と暮らす
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犬の二足歩行やジャンプの危険性、犬に与える悪影響とは?
犬が二足歩行することの危険性とは
「本来、犬は四足歩行する生き物です。重心が前肢に6~7割、後肢に3~4割かかっており、膝蓋骨脱臼や股関節形成不全などの持病があると、さらに前肢に重心が傾くとされています。そんな重心の犬が二足歩行で立つということが、いかに不安定な姿勢であるかご理解いただけるかと思います」
「人と生活する中で、自ら二足歩行することがあるとすれば、『二足歩行することによって褒められた、得があった、いいことがあった』などの経験に基づく場合が考えられるでしょう。
もちろん飼い主さんが教え込むときにも、ごほうびなどがあり愛犬にとって嬉しいことであれば、学習して覚えることもあるでしょう」
犬が二足歩行することで起こる体への悪影響
「小型犬には、膝蓋骨脱臼の持病のある犬が多いこと、また背骨が二足歩行に耐えられる構造ではないため、特に椎間板ヘルニアなど腰への負担が心配されます。
SNSで炎上した動画のような小型犬は、おそらく体重が軽くて二足歩行ができてしまうのでしょうが、実際体には負担がかかっています。また、体格の大きな犬になればなるほど足腰への負担がよりかかってくるので、二足歩行を教えることはやめましょう」
二足歩行やジャンプなど、犬に「芸」を覚えさせることについて
「犬が二足歩行することは、まるでハイハイしかできなかった赤ちゃんが歩いたような、飼い主さんにとっては幸せな気持ちになるのかもしれません。ほかにも、ジャンプなどの芸を覚えてくれる愛犬との時間は、きっと楽しいことでしょう。
しかし、犬と人間は骨格や筋肉といった解剖学的に異なる生き物です。それを知らずにいると、愛犬の体に負担をかけ、将来的に病気やトラブルが起きる可能性もあります。
しつけができていれば、特に芸を教える必要はないと考えていますが、もし教えるのであれば体に負担のないものにしてくださいね」
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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