1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 犬から人に感染する!? 命に関わることもある「ズーノーシス」とは

犬と暮らす

UP DATE

犬から人に感染する!? 命に関わることもある「ズーノーシス」とは

人から犬へ、犬から人へもうつる!ズーノーシスとは?

犬から人へも、人から犬へも感染します
犬から人へも、人から犬へも感染します
ズーノーシスとは、WHO(世界保健機関)によると、人と脊椎動物の間で自然に移行する疾病および感染症のこと。別名「人獣共通感染症」「動物由来感染症」とも呼ばれており、人も犬も気を付けなければならないものです。

ズーノーシスの病原体は世界で200種類以上が確認されていますが、なかには発症すると重症化し、命にかかわる感染症も。ワクチンのない病気も多いので、日ごろからの予防が重要となる病気なのです。ここでは、ズーノーシスについて簡単にご紹介します。

どうやって感染する?

犬に噛まれると感染することも
犬に噛まれると感染することも
病原体がうつることを「伝播(でんぱ)」といいますが、ズーノーシスが伝播していく経路は、大きく分けて2つあります。ひとつは、感染した動物に噛まれたり、爪で引っかかれたり、ウンチやオシッコなどの病原体に直接接触することで感染する直接伝播
もうひとつは、ダニや蚊、ノミなどの生物や、水や土などの環境、肉類や鶏卵などの食べ物を経由して感染する間接伝播があります。

島国であり、衛生観念が強い日本は比較的ズーノーシスが少ない国と言われていますが、近年ではペットブームによる飼育数の増加のほか、室内飼いが増えたことによって動物と接触する機会も増え、危険度は高まっています。
さらには少子高齢社会のため、抵抗力の低いシニア世代が増加。輸入食品や、家屋のビル化・個室化・気密化の向上など、環境側の要因もあいまって、ズーノーシスの危険度は上がっているといえるでしょう。

ズーノーシスをどう予防する?

危険度は上がっているとはいえ、ズーノーシスの予防は決して難しいものではないため、過剰に怖がる必要はありません。日常生活の中で、少し意識すればできる予防方法を3つご紹介します。

過剰な接触を避ける

犬とのキスや食器の共用は避けましょう
犬とのキスや食器の共用は避けましょう
ズーノーシスのなかには、犬の口内や体内に普通に存在している常在菌が感染源となる病気もあります。そのため、唾液に直接触れるような行為は極力避けましょう。飼い主さんが寝ているときに愛犬が口元をなめることもあるため、ズーノーシスの予防のためには、寝室を別にするか、マスクをして寝ることも検討しましょう。

生活環境を清潔に保つ

愛犬とふれあったあとはしっかり手洗いを
愛犬とふれあったあとはしっかり手洗いを
病原体は目に見えないもののほうが多いです。愛犬の排泄物や皮膚・被毛などに存在することもあるため、生活環境や体の清潔さを保つことが予防につながります。ブラッシング用品や爪切り、タオルなどのケアグッズも汚れたままにしないよう心がけましょう。

予防薬の投与や予防接種を行う

世界で200種類ともいわれるズーノーシスのうち、人のワクチンがある感染症は、狂犬病、日本脳炎、破傷風、レプトスピラ症(※レプトスピラ症ワクチンは、災害時の自衛隊員用のみ)の4つのみです。かかりつけ医に相談しながら、ワクチンの接種や予防薬、駆除薬の投与など、できる予防に努めましょう。海外に行く際は、飼い主さんのワクチン接種も重要です。

正しい知識を知って、怖がりすぎないで

危険な病気もありますが、怖いからといって愛犬を必要以上に遠ざける必要はまったくありません。必要以上に感染におびえないためにも、ご紹介した予防法を取り入れてみてくださいね。

参考/愛犬との暮らしをもっと楽しむ『いぬのきもち』2020年10月号「犬から人にうつる人獣共通感染症 ズーノーシスってどんな病気?」(監修:獣医師 荒島康友先生)
ピクトグラム/ohmae-d
文/佐藤英美、影山エマ
CATEGORY   犬と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る