ラブラドール・レトリーバーやビーグルなどの垂れ耳の犬種は、耳の病気になりやすいので注意が必要です。今回は、とくになりやすいといわれる「外耳炎(がいじえん)」をはじめとする耳の病気と、耳の病気になりやすい年齢をご紹介します。愛犬の耳をケアして、病気を予防しましょう。
垂れ耳の犬は「外耳炎」になりやすい
垂れ耳の犬種は耳アカの分泌量が多く、外耳炎になりやすい傾向があります。外耳炎とは、外耳道が細菌や寄生虫、アレルギーなどによって炎症を起こす病気のこと。耳アカがたまって耳が黒ずんだり、赤くなったり、かゆみが見られたりするのが主な症状です。
外耳炎は犬の4頭に1頭がなるといわれるほど、発症率が高い病気です。垂れ耳の犬種のほかにも、パグやシー・ズーのように耳アカがベタつきやすい犬種も、外耳炎になりやすいでしょう。
ちなみに、耳アカがベタつくと細菌やマラセチアという菌が増えやすくなるため、耳の病気全般の発症リスクが高くなります。
ほかにはこんな耳の病気にかかる可能性も
外耳炎のほかにも、耳血腫(じけっしゅ)、中耳炎(ちゅうじえん)、内耳炎(ないじえん)などが、犬がなりやすい耳の病気として挙げられます。
耳血腫
免疫異常や強い刺激が原因となり、耳が腫れる病気。耳の平たく薄い部分である耳介の皮膚の間に血液がたまり、かたくふくれ上がるのが特徴です。耳の打撲や耳を強くかくことで起こる可能性もあります。
中耳炎
鼓膜の内側にある中耳に炎症が起こる病気。外耳炎が慢性化し、中耳に炎症が広がって発症するケースも多いようです。
内耳炎
耳の最深部にある内耳が炎症を起こす病気です。内耳は聴覚の神経や平衡感覚を保つ役割があるため、内耳炎になると難聴になったり、体のバランスが保てなくなったりすることも。
耳の病気になりやすい年齢は?
10才以上の犬は、耳の病気になりやすいとされています。これは、年を重ねるにつれて免疫機能が下がり、慢性的に患っていた耳の病気が重篤化したり、見落としがちな耳道内の腫瘍が発症しやすくなったりするためです。
とはいえ、1才未満や1~3才で発症することも少なくありません。生後2カ月程度で耳ダニや細菌などに感染して発症するほか、免疫力ができあがっていないため真菌に感染して発症する場合もあります。
愛犬がなりやすい病気を知ると、飼い主さんが気をつけるきっかけとなり、病気の予防にもつながるでしょう。垂れ耳の犬種や耳アカがベタつきやすい犬種の飼い主さんは、愛犬が外耳炎などの病気にならないよう注意してくださいね。
参考/「いぬのきもち」2015年11月号『犬の病気別 知っておけば、愛犬の健康・長寿の役に立つ なりやすい年齢ランキング 保存版!』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/松本マユ
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