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最悪の場合は死に至ることも…犬によく見られる「危険なイタズラ」
ペットシーツを噛みちぎったり、クッションの綿を出してしまったりなど、犬はいろんなイタズラをすることも。噛みちぎったものを食べてしまうこともありますが、命にかかわるケースもあります。
この記事では、犬の危険なイタズラについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
最悪、死に至ることも…犬の危険なイタズラとは?

ーーペットシーツやクッションの綿など、犬がイタズラして食べてしまった場合、どのような影響が出ますか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「よく見られる症状は嘔吐です。吐いてすべて出てきてしまえばラッキーですが、綿やペットシーツはすべて吐き出されたのかどうか、なかなかわからないです。
そして、一番問題になるのは腸閉塞でしょう。ペットシーツは後々、お腹の中で水分を含んで膨むので、油断はできません。最悪、腸閉塞は死に至ります」
ーー死に至るケースもあるとは怖いです。そのときはとくに愛犬の様子に問題はなさそうに見えても、あとから急変する…という可能性もあるのでしょうか?
獣医師:
「あります。食べてしまったものによっては、つっかかりながら腸の中を移動します。1週間かけて便に排出されることもあります。いつ出るのか、はたして出るのかどうかは、運によるところになるでしょう。運悪く詰まってしまったら、一大事です」
獣医師が目撃した犬の危険なイタズラの実例

ーー犬がイタズラによって命の危険に…というのを、実際に目撃したことがありますか?
獣医師:
「ペットシーツを食べてしまった犬のお腹がパンパンになっていたのを診たことがあります。
また、日頃から何かを舐める癖のある犬は要注意です。食べていなくても腸閉塞を起こすことがあるのです。私が診た犬だと、髪の毛や衣類の繊維を舐めてしまったコが腸閉塞を起こしていました。
飼い主さんの話では『このコはイタズラしない。何も食べていない』とおっしゃっていましたが、実際舐めてしまっていたようです」
ーー舐めているだけだと、飼い主さんもそれほど不安に思わないかもしれませんが、そんな危険な状況になることもあるのですね。
獣医師:
「ほかにも、生涯にわたって何度も開腹手術をしたコもいます。高齢になってもイタズラで食べてはいけないものを食べる行為が続き、最後は術後に良い回復が見られず亡くなりました。また、手術直後、抜糸がすんでいないときに、すでにまた食べていたコもいました」
ーーイタズラはクセになってしまうとなかなか直らないので、最初のしつけが肝心だといえそうですね。犬のイタズラによる事故について、飼い主さんが覚えておいたほうがいいことはなんでしょうか?
獣医師:
「犬は何をするかわかりません。『うちのコはイタズラしないだろう』と油断しないほうがいいでしょう。
また、イタズラによる誤飲誤食などのトラブルが起こったときにも、犬は話せないので状況を伝えてはくれません。ちょっとした異変に気づくためにも、ふだんから飼い主さんがよく愛犬の行動を見てあげることが大切でしょう」

犬の誤飲誤食は、ときに命にかかわることがあります。イタズラをしないように飼い主さんが対策するなどして、愛犬を危険な目にあわせないようにしたいですね。
もし何かイタズラして食べてしまった可能性がある場合には、動物病院を受診しましょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami
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