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犬の歯の健康のためには「固いものをあげるのがいい」は勘違い!? 獣医師が解説
犬の歯の健康のために、「牛のひづめや鹿の角などの固いものを噛ませるのがいいのではないか」と思っている飼い主さんもいるかもしれません。ただし、犬に固いものを与える際には注意が必要です。
この記事では、「犬の歯の健康のために固いものをあげるのが本当にいいのかどうか」、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬に固いものをあげる際の注意点

——犬の歯の健康のために、牛のひづめや鹿の角などの固いものを与えている飼い主さんもいますよね。実際、そうした固いものは犬の歯のためによいのでしょうか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「ひづめや鹿の角などの固いおやつは、歯が折れる、欠けるという事故につながります。本来、犬の歯は柔らかい肉を引き裂いて噛み切るためにあるので、固いものを強く噛んだり、噛み続けるということには向いていません」
——犬に固いものを与える際には、どのような注意をしたらよいでしょうか?
獣医師:
「本来は肉を引き裂く役割である上顎の第4前臼歯と、下顎の第1後臼歯はとくに固いものを噛むと欠けたり割れたりしやすいです。固いものを与える場合は、1日に短時間(5分、長くて10分)程度にするほうがよいでしょう」
——飼い主さんの管理のもと、短時間で終わらせてあげるといいのですね。
飼い主さんが食べ残したチキンの骨を愛犬に与えたりするのはNG!

——飼い主さんがチキンを食べたときに、残った骨の部分を犬に与えてしまう…といったケースを聞いたことがあります。危なくないのでしょうか?
獣医師:
「人間が食べた残りのチキンの骨などは、加熱方法によって差があり、犬が噛むと簡単に細かくなるものや、縦に割れるものなど様々です。
もし犬が骨を噛んだときに縦に割れて、そのまま飲み込んでしまったら、食道、胃、腸を傷つけるだけでなく、穴が開くような緊急事態になりかねませんので、与えないようにしてください」
犬の歯の健康のために、飼い主さんができること

——犬の歯の健康を考えた場合に、飼い主さんができる最適なケアはなんでしょうか?
獣医師:
「現在は犬の歯周病が大きな問題になっています。歯周病予防のためにも、歯磨き習慣をつけるのが一番だと考えます。さらに、定期的にかかりつけ医に歯を診てもらい、アドバイスしてもらうのもよいでしょう」

犬が固いものを噛むと、歯が強くなったりキレイになるようなイメージがあるかもしれませんが、本来固いものを強く噛んだり、噛み続けることは犬には向いていないようです。
歯のケアをするのであれば、日頃から歯磨きをしてあげるようにしましょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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