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巨大食道症[きょだいしょくどうしょう]

巨大食道症の症状と治療、予防方法

解説

遺伝的なものやほかの病気などが原因で、食道が通常より太く広がったままになり、食べ物を胃に送る食道の運動が止まる状態です。食べものや飲んだ水を、遠くに飛ばすように吐くようなしぐさが見られることも。

原因

先天性と後天性に分けられますが、先天性ははっきりと解明されておらず、食道に分布する神経の欠損や以上により発症するといわれています。後天性は神経・筋の疾患、食道の腫瘍や異物による閉塞性疾患などに続発して起こることが多いです。

症状

食道の運動が低下するため、食べ物や水を食後比較的短時間の間に吐き出します。吐いた食べ物が、気管・鼻・肺に入ってしまう(誤嚥)と鼻炎や肺炎をおこし発熱や咳、呼吸困難などの症状がみられ、死に至ることもあります。また、慢性的に食道の炎症を起こすこともあり、食欲不振やよだれなどの症状がみられることもあります。

診断

胸部レントゲン検査で診断します。単純レントゲン検査ではっきりと診断がつきにくい場合は造影レントゲン検査をします。

巨大食道症の治療

完全な治療は難しく、吐かないような食べさせ方をします。たとえば、前足を台などにかけさせ、頭を上向きにさせて食事を与えます。あるいは犬を抱いて肩越しに誰かに食事を与えてもらいます。食後15~30分は頭を45度から垂直に持ち上げたままにしないといけないため、頭を上向きに保てるよう細長い箱に入れたり、小型犬は体を立たせた状態で抱きます。方法を工夫するだけでは栄養の摂取が難しい場合は、チューブを挿入してそこから栄養を補給する場合もあります。

巨大食道症の予防

予防は難しいですが、一度に多くのフードを食べさせないようにします。発症している場合は、繁殖は避けましょう。
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