健康・病気
「健康・病気」に関する記事をご紹介しています。
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鞭虫症[べんちゅうしょう]
鞭虫というムチのような形をした4~7cmの虫がおもに大腸に寄生して、嘔吐や下痢、腸炎による血便などを起こします。体についた鞭虫を毛づくろいの際に飲み込んだり、感染犬の便についた虫を飲み込むことで感染します。
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棘細胞性エナメル上皮腫【きょくさいぼうせいえなめるじょうひしゅ】
口の中の、おもに下あごにできる腫瘍です。がん細胞が増殖して骨や歯ぐきなど、ほかの組織に入り込む力(浸潤)が強いといわれています。腫瘍が大きくなると、食事がしづらくなるなどの支障が出てきます。
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腸閉塞[ちょうへいそく]
腸に何かが詰まって、腸の働きが悪くなる状態です。異物の誤飲がおもな原因ですが、腸捻転や腫瘍などによって引き起こされることもあります。頻繁に吐き、おなかを痛そうにしたり、水を飲んだりします。食欲も元気もなくなります。発見が遅れると死に至ることがあるので、緊急の処置が必要です。
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腸炎(慢性腸症)[ちょうえん(まんせいちょうしょう)]
腸の粘膜が慢性的な炎症を起こす病気です。嘔吐と下痢のどちらか、もしくは両方が起こります。おなかが鳴る、口臭がする、よく水を飲む、尿量が増す、元気がなくなるといった症状が見られます。原因は、感染症や食物アレルギーで腸内細菌の過剰な増殖、がん、寄生虫などです。
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食道炎[しょくどうえん]
のどから胃につながる食道になんらかの原因で炎症が起きる病気です。誤飲・誤食をして食道が傷ついた際に起こりやすいです。場合によっては嘔吐が見られます。
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肛門嚢炎[こうもんのうえん]
通常、肛門嚢の分泌液は排便の際に外へ放出されますが、肛門嚢炎になると、肛門嚢内に細菌が感染することで肛門嚢が化膿し、分泌液が多量にたまってしまうこともあります。強い痛みを伴い、ひどいときには、肛門嚢が破裂し、内容物が体外へ飛び出します。
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肛門周囲腺炎[こうもんしゅういせんえん]
脂肪などを分泌する肛門周囲腺に細菌が感染して化膿し、肛門が赤く腫れたり、ただれたりします。
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巨大食道症[きょだいしょくどうしょう]
遺伝的なものやほかの病気などが原因で、食道が通常より太く広がったままになり、食べ物を胃に送る食道の運動が止まる状態です。食べものや飲んだ水を、遠くに飛ばすように吐くようなしぐさが見られることも。
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咽頭炎[いんとうえん]
のどに炎症が起こり、軽い場合は空セキが出る程度ですが、症状が重いと痛みが出て食欲がなくなり、セキもひどくなります。よだれが出たり、吐くようなしぐさをすることもあります。また、ゼーゼーと苦しそうな息をしたり、犬は鼻呼吸なのに、口を開けたまま呼吸することもあります。原因は食べ物がのどを通過する際、のどを傷つけてなるほか、鼻炎や口内炎などの周辺部位の炎症やウイルス感染が引き起こす場合があります。
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自己免疫性疾患[じこめんえきせいしっかん]
体を守るための免疫になんらかの異常が起こり、自分の体を間違えて攻撃することから発症する病気の総称で、鼻や耳、足などに脱毛やかさぶたなどの皮膚の異常が生じます。
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外鼻孔狭窄[がいびこうきょうさく]
おもに先天的な異常で、鼻腔が狭まっている状態。パグやシー・ズー、ペキニーズなどの短頭種に多く、いびきのような音のある呼吸をしていたら鼻腔狭窄の可能性が。
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軟口蓋過長症[なんこうがいかちょうしょう]
のどの手前にある上あごの軟口蓋が長く、のどの入り口に垂れ下がった状態をいいます。空気の通り道が狭まるため、苦しそうに呼吸をします。先天的な場合がほとんどで、パグ、ペキニーズ、ブルドッグなどの短頭種に多いです。
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歯髄炎[しずいえん]
歯の内部の神経に細菌が入り込んだり、歯が折れるなどの外的刺激で炎症が起こり、犬は痛がります。
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口内炎[こうないえん]
口の中の粘膜に起きる炎症で、原因はさまざまです。食欲不振や大量のよだれ、口臭、激しい痛みなどの症状があらわれます。
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歯瘻[しろう]
歯周病によって歯の根元に膿がたまり、その中の菌があごの骨を溶かして皮膚まで貫通してしまう病気。目の下などの皮膚に穴があき、そこから膿や血が出てくるようになります。口の中に穴があく場合は内歯瘻と呼びます。
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緑内障[りょくないしょう]
眼球内部の圧力が高まる病気。瞳孔が開くようになり、目の色がふだんより緑または赤い色に見える場合も。初期では目を気にしたり、まぶしそうにしますが、眼圧が高まると目が大きくなって飛び出し、強い痛みを感じます。角膜炎、結膜炎を併発するほか、そのまま放置すると失明することもあります。
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マイボーム腺炎[まいぼーむせんえん]
マイボーム腺(まつげの根本付近にあって油脂を分泌している腺)が炎症を起こし、まぶたの縁が赤く腫れ上がり、目ヤニや涙が多くなります。炎症により腫れた部分が眼球に触れるとかゆみを伴い、犬が前足でこすることで角膜炎を併発することもあります。いわゆるものもらいです。
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ぶどう膜炎[ぶどうまくえん]
眼球の周囲を囲んでいる脈絡膜、毛様体、虹彩の3つをまとめてぶどう膜と呼びます。この全体に炎症が起こり、目ヤニや涙が多く流れ、犬は痛みを感じて目をこすったり、まぶしそうに目を細めるようになります。
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熱中症[ねっちゅうしょう]
風通しの悪い高温多湿の場所や、直射日光を直に浴び続ける状況で、急激に上がった体温が下がらなくなります。ハアハアと荒い呼吸に始まり、大量のよだれ、嘔吐などのあと、けいれんをしたり、短時間で意識を失う場合も。すぐに処置をしないと、命を落とすこともあります。短頭種や寒い地方生まれの犬は暑さに弱いので、とくに注意を。
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そけいヘルニア[そけいへるにあ]
後ろ足のつけ根のそけい部から、腸や脂肪組織、子宮、膀胱などが飛び出す病気で、先天的に起こる場合と、事故などによる外傷で起こる場合とがあります。産後のメスや、胃拡張になった犬がなりやすいです。
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停留睾丸(オス)[ていりゅうこうがん(おす)]
睾丸が下がらずに、おなかの中やそけい部(もものつけ根)にとどまってしまう病気です。おなかの中に残っている場合、腫瘍化しやすいうえ、外見からはわかりづらいため、早めに検査することが大切です。
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便秘[べんぴ]
異物が腸をふさいでいる、かたよった食事により便がかたくなる、トイレ環境が変わる、下半身にケガをしている、甲状腺機能低下症などの病気にかかっているなど、さまざまな理由で便秘になります。
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胃拡張捻転症候群[いかくちょうねんてんしょうこうぐん]
食後すぐに運動をすることなどが原因で、胃がねじれて、取り込んだ食物や空気が腸へ送られない状態になる病気で、大型犬に多いです。腹部がふくれ、苦しそうにします。食欲も元気もなくなり、よだれがたくさん出ることもあります。また、吐きそうな動作をしても吐かないことがあります。緊急に治療しないと多くは死亡します。
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肺水腫[はいすいしゅ]
肺炎や心臓疾患などが原因で、肺の中に水がたまり、肺がむくむ状態です。症状が軽い場合は、運動したり、興奮したりするとセキが出る程度ですが、重くなると苦しそうな呼吸をしたり、呼吸が浅く、速くなります。また、よだれを流したり、口を開けたまま呼吸することもあります。
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免疫介在性溶血性貧血[めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ]
なんらかの原因で体が赤血球を破壊してしまうことで、赤血球が不足して起こる貧血です。この病気にかかると、元気がなくなり、運動を嫌がるようになります。食欲低下や嘔吐が起こることもあります。貧血のため、歯肉や目の結膜が白く変色したり、黄疸によって黄色くなります。尿の色が濃くなったり、茶色や赤茶色が混ざることもあります。
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グレーコリー症候群[ぐれーこりーしょうこうぐん]
毛の色が灰色系のコリーに発症する先天的な病気で、白血球のひとつである好中球が減少します。子犬のうちに発症し、発熱、食欲低下、結膜炎などが見られ、最後は敗血症や肺炎などを起こして死亡します。
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レッグ・ペルテス[れっぐ・ぺるてす]
大腿骨の先端にある大腿骨頭に血液が充分に供給されず、骨頭が変形したり、壊死します。後ろ足に痛みを伴うため、足を引きずったり、たびたび地面から足を上げるようになります。骨が出来上がる前の小型犬がかかりやすいです。
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変形性脊椎症[へんけいせいせきついしょう]
背骨を構成している椎体が、加齢とともに変形する病気で、9才以上のシニア犬の75%がなっているといわれています。症状が出ない犬もいますが、関節の可動域が狭くなるので、あるくことを嫌がる場合も。
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外耳炎[がいじえん]
外耳道(耳の穴の鼓膜の外側)に細菌や真菌が感染することで炎症が起き、耳アカがたまります。耳アカはニオイが強く、拭き取っても数日後にはたまります。慢性的な外耳炎の場合、皮膚が厚くなって耳道をふさぐことも。炎症がひどいと、鼓膜に穴があくことも。
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エナメル質形成不全[えなめるしつけいせいふぜん]
歯の表面層(エナメル質)の発達が不充分なために、歯垢がつきやすくなったり、歯が折れやすくなったり、水や食べ物が歯にしみる知覚過敏を起こすことがあります。
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網膜剥離[もうまくはくり]
網膜(眼球の奥の光を受ける部分)が眼底からはがれ、視力障害を起こします。事故の衝撃ではがれたり、炎症が原因で発症するほか、おもにコリー犬種では、先天的な原因で発症することもあります。ときには失明する場合もあるので注意。
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鼻涙管閉塞[びるいかんへいそく]
目と鼻をつないでいる鼻涙管や、涙を排出する涙管が詰まって涙があふれる病気です。流涙症と同様、涙とともに目ヤニが出て、目頭から鼻のわきが汚れて皮膚が腫れることも。
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白内障[はくないしょう]
老化に伴い目の水晶体が変化し、目が白く濁って見えます。視力が損なわれるので、犬は物にぶつかったり、慣れている場所でも鼻先で探るような歩き方をすることもあります。症状が進行すると失明に至ります。老化のほか、先天的な理由で発症したり、若年性の白内障もあります。
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逆さまつげ[さかさまつげ]
本来外側に向かって生えるまつげが、内側に向かって生える病気。まつげが角膜を刺激するので犬が違和感を覚えて、前足で目をこするしぐさをしやすいです。涙や目ヤニが多く出ることもあります。トイ・プードル、ブルドッグ、シー・ズーなどの犬種に多いです。
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結膜炎[けつまくえん]
結膜(白目の部分)の表面に炎症が生じる病気です。犬が目をこすって涙や目ヤニが出たり、まぶたのまわりが赤くなったりします。角膜(黒目の表面の透明な部分)にも炎症が広がり、角結膜炎に進行するケースも。目をこする、シャンプーが目に入る、目のまわりの毛が目を刺激するなどの外傷性(片目に多い)と、感染症などの非外傷性(両目に多い)があります。
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眼瞼内反症[がんけんないはんしょう]
まぶたが内側に向かって曲がり込む病気。まつげや被毛が角膜や結膜に当たるため、犬はその刺激を気にして前足で目をこすり、角膜炎や結膜炎になりやすいです。この病気が原因で起こる角膜炎や結膜炎は慢性化しやすく、発症を繰り返すうちに治りにくくなることが。
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角膜浮腫[かくまくふしゅ]
角膜の内皮(いちばん内側の膜)の機能が低下し、角膜内に水がたまってむくんでしまう病気。角膜が膨張して目の透明感がなくなって白く濁ります。これに伴い、視力も低下します。角膜炎や緑内障により、併発することも。
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中毒[ちゅうどく]
異物や中毒を起こす食物、薬品などを誤って飲み込んでしまい、嘔吐や下痢、腸閉塞などを引き起こします。
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誤飲・誤食[ごいん・ごしょく]
異物や中毒を起こす食物、薬品などを誤って飲み込んでしまい、嘔吐や下痢、腸閉塞などを引き起こします。
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フィラリア症(犬糸状虫症)[ふぃらりあしょう(いぬしじょうちゅうしょう)]
糸状虫とも呼ばれるそうめんのような長くて白い虫が、蚊を介して体内に入り、成長しながら血管、心臓へと寄生します。血流を妨げ、初期症状としてセキが出たり、運動を嫌がるようになります。やがておなかに水がたまって(腹水)、異常に水を欲しがるようになり、命にかかわります。