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【犬を災害から守ろう①】参加する人増えてます! 防災に特化した犬のしつけトレーニング講座|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.145
今回は、犬の災害対策に関するお話。災害から犬の身を守るために必要なトレーニングを教えている西川先生。どのようなトレーニングをしているのでしょうか?(編集部)
9月は防災月間というのが全国的な、お決まり。
防災月間が9月に定められているのは、9月1日に関東大震災が起きた日であるとともに、台風による大きな被害が出始めるのがこの時期だからだそうで。
もっとも近年は、線状降水帯なるものが頻繁に発生して、梅雨の季節から豪雨による災害は増えているし、季節関係なしに地震も噴火も増えている気もするし、9月だからっていうのもなんだかなって気もしますが、まぁ、そんなことはいいとして、とにかく9月は防災月間。
私のスクールでも新型コロナが騒がれる前は9月になると、「災害に備えて」という特別クラスを行っていました。
「災害に備えて」のクラスに限らずですが‘、コロナ禍は基本のクラス以外のクラスの開催予定はなし。
せめてどんなことをやるのかぐらいは知らしめたい。ということで、このコラムの場をお借りして、「災害に備えて」のクラスでやることを少し紹介していきましょう。
「災害に備えてクラス」
A:クレートトレーニング
B:首輪を急につかむトレーニング
C:急に抱き上げるトレーニング
D:オイデのトレーニング
E:口輪に慣らすトレーニング
F:靴に慣らすトレーニング
G:不安を取り除くためのマッサージ
BとCは、犬を確保するために必要となります。E(口輪に慣らす必要性)はVol.37をご覧いただければと。Fは瓦礫などでパッド(肉球)を切らないために。Gは災害時の犬のストレスを軽減するため。
ちなみにAとDに関しては、一般的なトレーニング以上の内容を行っていきます。

緊急地震速報でクレートに入るように
地震の際、犬の安全を確保しようとあわてて犬を捕まえる必要もなく、飼い主は落ち着いた対応ができる。
実はこの緊急地震速報でクレートに入るトレーニングの話は、コラムVol.44でも取り上げています。
「災害に備えて」のクラスは計4回。1カ月~1カ月半ほどに渡って行いますが、その4回のクラスの間に多くの犬は緊急地震速報を音が鳴ると、クレートに入っていけるようになります。
笛の合図で飼い主の元へ来るオイデ
姿が見えない犬を呼び寄せられる。
このオイデは、犬の安全を確保するためにだけではなく、飼い主のためにも必要になります。
どういうことかというと、飼い主がどこかに閉じ込められてしまったときなどのためにです。
大声で助けを求めていれば体力を消耗します。笛ならその体力の消耗を防げます。
その音を耳にした犬が飼い主を探そうと、飼い主の周辺を動き回っていれば、その姿に誰かが気がつくかもしれません。さらには、その笛の音にも、です。
笛は犬笛ではなく、普通の笛を。犬笛は、他人に気づかれませんので。
「話はわかった。どうやって教えるかも教えろ」って……ですよね。
ということで、次回は「緊急地震速報を音でクレートに自ら入る」トレーニングをコラムVol.44よりも詳しく、「笛で犬を呼び寄せる」トレーニングは次の次の回で、それぞれ解説するといたしましょう。
ご期待ください。

西川文二氏 プロフィール
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