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原因不明の四肢麻痺から奇跡の回復を遂げた歩ちゃん
今回ご紹介するのは、四肢が麻痺した状態で保護され、懸命なリハビリによって奇跡的な回復を見せた歩ちゃんのお話です。
四肢が麻痺した状態で公園に置き去りに……
まず、四肢の関節がピーンと突っ張ったままになっている歩ちゃんの足を毎日欠かさずマッサージして、足の裏の感覚をよみがえらせるための指圧などを行いました。そして、手嶋さんと旦那様が手作りした専用マッサージローラーで全身に刺激を与え、傾斜の角度が変えられる専用のボードに乗せて後ろ足に負荷をかけるトレーニングなども実施。そして1カ月くらいがたつと、歩ちゃんの前足が動くようになってきたそうです。
歩ちゃんの壮絶な過去を知り、家に迎える決意を
「このコは体が動かない状態でひとりぼっちで公園に置いていかれて、どんなにつらかったか……、それを考えたら涙が出ました。そんな壮絶な体験をしたこのコを、なんとしても幸せにしてあげたいと心から思ったんです」
そして、Uさんは譲渡前にまずはトライアルをすることになり、Tさんと二人三脚で毎日歩ちゃんのリハビリに励みました。
「最初は前足だけではうような形で移動していましたが、ある日、ゴハンを用意していると、待ちきれなくなった歩がウサギみたいに後ろ足にも体重をかけてピョンピョンと跳ねたんです。『これなら歩けるようになるかも!』と、そのときは本当にうれしかった」とUさん。
そして、一日も早く歩けるようにと『歩』と名づけることに。トライアル中も、歩ちゃんはその気持ちに応えるように少しずつ回復していってくれたそう。
「なーちゃんという先代犬は、2021年12月に推定16才で虹の橋を渡りました。なーちゃんの介護をしていた日々には、大変なこともありましたが、私にとって一日一日が本当に貴重でした。この介護の期間があったからこそ、愛犬との絆をさらに深められたと思っています」と語るUさん。
シニアであったり、何かしらのハンデがあったりする保護犬は、譲渡が難しいと愛護団体などから聞きますが、むしろ、そうした犬たちを一頭でも迎えていきたいと思ったそうです。そして、なーちゃんを看取った翌年の1月には、推定15才の全盲のメリアちゃんを別の愛護団体から迎え、5月に歩ちゃんを正式に家族として迎えることにしました。
取材協力/自由が丘動物医療センター
写真/田尻光久
取材・文/袴 もな
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