この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。
今回ご紹介するのは、四肢が麻痺した状態で保護され、懸命なリハビリによって奇跡的な回復を見せた歩ちゃんのお話です。
足への負担を減らし、四肢の強化を目指す毎日のお世話と工夫
今もおもに、後ろ足に重点を置いたリハビリマッサージを行っています。歩ちゃんの足への負担を減らすために、床にはふかふかのマットを敷き、筋肉がしっかりつくように栄養バランスのよいゴハンを心がけています。
毎日必ず、後ろ足に刺激を与えるマッサージや指圧を行う
アグリドッグレスキューの預かりボランティアをするTさんが手作りした、天然石のローラーで背中や足の血流をよくするマッサージを行います。また、足裏を押して刺激を与えることで、歩く感覚を忘れないようにします。
後ろ足に力が入るよう、手作りの専用ボードに立たせて、ゴハンやおやつを食べさせる
傾斜の角度が調節できるリハビリボードは、Tさんの旦那様が歩ちゃんのために作ってくれたもの。その名も「アユムンダー2」。この上に立ってゴハンなどを食べることで、後ろ足に重心がいくように。
一日の終わりには、足の疲れを癒すために小豆が入った袋の温熱カイロで温める
こちらもアグリのTさんに伝授してもらった温熱療法。小豆を入れた袋をレンジで温め、足にやさしく当てます。一日の終わりに行うことで、歩ちゃんはリラックス。
筋肉がしっかりつくように栄養バランスがよいフレッシュフードを与える
天然素材を使ったドライフードに、愛犬の体質に合わせてフレッシュな食材だけを配合してくれるパウチの総合栄養食をプラス。パッケージには愛犬の名前も。また、関節の健康維持のためのサプリも与えています。
体圧を分散させる介護用マットで寝返りもスムーズにできるようにする
「ホームナース」の体圧分散高機能マットは、後ろ足がまだ動かなかったときに役立ちました。足の筋力が弱くても立ち上がりやすく、床ずれ防止も。
次回はUさんと歩ちゃん、先住犬のメリアちゃんの今をレポートします。
※掲載の情報は2022年11月号発売時のものです。
出典/「いぬのきもち」2022年11月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
取材協力/自由が丘動物医療センター
写真/田尻光久
取材・文/袴 もな