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パグとセント・バーナードは実は同じ仲間!? 犬種のルーツが意外すぎる
牧畜犬ってどんな特徴があるの?
動物病院などで、犬種同士が線でつながれた家系図のようなポスターを見かけたことはないですか?
このような系統樹にならって、DNA解析をもとにした「いぬのきもち版犬種ツリー」から、牧畜犬に関するヒミツを紹介します!
ちなみに牧畜犬とは、グレーハウンド、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、シェットランド・シープドッグのような、牧場を見張ったり羊などの群れを誘導する犬種グループです。
〈まずは基礎知識〉牧畜犬って何?
牧畜犬とは、牧場で放牧している羊などの群れの誘導や見張り、人間による盗難やオオカミなどの捕食動物から守るように訓練された犬です。
もともとは見張りの役割が主で、強い大型犬種がその役割を担っていましたが、散らばる羊の群れを誘導する時に活発に動けるように機敏な中型犬・小型犬種が選ばれるようになっています。
ラフ・コリーなどの代表的な牧畜犬に交じり、ウィペットやボルゾイなどの猟で活躍した犬もいます。これは、牧畜犬の鋭敏さや走る速さが猟にも役立つ性質だからと考えられています。
代表的な牧畜犬であるラフ・コリー。
ローマからイギリスにやってきた足やマズルの短い犬がボルゾイと交配し、細いマズルと長い足の今の姿になったといわれています。
ムキムキのウィペットが生まれる!?
ウィペットには、まれにかなり筋肉質な犬が生まれることが。
これは、走る速さにも関係するミオスタミン遺伝子の変異が原因で、ウィペット特有の現象といわれています。
ウィペットは、イギリス北部で小さめのグレーハウンドにテリアなどを交配して生まれたといわれています。
DNAが近い犬種でも、容姿が違うのはなぜ?
パグとセント・バーナードはDNAが近い犬種であることがわかっています。
ですが、体高には約3倍の差が。なぜDNAが近い犬種同士でも、大きく容姿が異なるのでしょう?
この理由は、人が交配の過程で、とりわけ容姿に変化のあった犬種を貴重がって新しい犬種として残していった結果です。
「容姿が変わりにくい遺伝子」をもった犬よりも、「容姿が変わりやすい遺伝子」をもった犬が世代を重ねたからといわれています。
パグのルーツは諸説あり、中国生まれとも古代ローマ生まれともいわれていました。DNA解析の結果が示したのは、意外にも牧畜犬のルーツ。
中国生まれの短頭種が、ヨーロッパ生まれの牧畜犬と交配を重ねた犬種なのかもしれません。
スイスで救助犬として活躍した短毛の犬に、ニューファンドランドを交配して生まれたのがセント・バーナード。
DNA解析の結果を考えると、祖先の短毛犬が牧畜犬のルーツだったのかもしれません。
ルーツがわかると病気もわかる?
ラフ・コリーやシェルティ、ウィペットなどの牧畜犬グループの犬は、ニキビダニ予防薬などに含まれるイベルメクチンという成分に副作用が出やすいと知られています。
この体質はある1つの遺伝子の変異が原因とわかっており、この変異をもつ犬たちのルーツが近いことがわかっています。
このように、愛犬のルーツを知っておくと、病気などの予防にもなりますね。
参考/「いぬのきもち」2017年1月号『犬種ツリーから知る愛犬のルーツ』(監修:東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室准教授 武内ゆかり先生、相模大野プリモ動物病院院長 玉原智史先生)
文/\(m.h)/
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