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初めて犬を飼う人も“社会化しやすい”子犬の特徴|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.63
コロナ禍で犬を飼う人が増えていることを、以前このコラムでもお話しましたが、まさに今、もしくは少し先に犬を飼いたいと考えている方が多いかもしれません。子犬を迎えるとき、どのような点に注目していますか? 西川先生ならではの“家庭犬に向いている”“社会化しやすい犬”についてお伝えします(編集部)
おもにトイレシーツの入手などのためで、ペットの展示販売コーナーには基本足を向けないのですが、最近犬の価格が急騰していると聞いていたので、どれどれとコーナーをのぞいて見ました。
確かに……でした。
一番お安いので、30万円弱。高い方は50万円越え。六本木や銀座での話ではありません。都下でのお話です。
展示スペースに空きもありました。
それだけ、需要が供給を上回っている、犬の購入意向が高止まりしているということでしょう。
そこで今回は、これから犬を飼おうという方、それも初めて犬をという方に向けて、ショップで子犬を選ぶ際のチェックポイントをいくつかお話いたします。
家庭犬に向いている犬とは
トレーニングとは、これから遭遇するであろう人間社会にある「こと」や「もの」に慣らす「社会化」を行うこと、およびマテやリードをたるませてのお散歩などの好ましい行動をたくさん教えることです。
順番としては、まずは社会化。
人間社会の「こと」や「もの」に慣れていなければ、いつでもどこででも好ましい行動をとれるようにはならないからです。
社会化の土台あっての、イメージどおりの犬の生活、となるのです。
であれば、家庭犬に向いている犬とは、社会化のしやすい犬ということになります。
社会化がしやすい犬とは
始まりは生後3週齢から、そして異種・同種の動物への慣れは3カ月齢を越えると難しく、その他の「こと」や「もの」への慣れも4カ月齢を越えると難しくなっていく、といわれています。
となれば、まずは購入するに適した時期は、2カ月齢がベスト。遅くとも3カ月齢で。となります。
最近は社会化のことも理解しているショップもあります。そうしたショップでは数頭の犬といる状況を確認することができます。
もし初めて犬を飼うのであれば、その中で一番おとなしい犬と、一番活発でない犬を、候補にあげることです。
大人しそうに見える犬は怖がり(社会化がしにくい)かもかもしれません。活発な方は、それはそれで犬を初めて飼う人には手に負えないやんちゃの子かもしれないからです。
人に対する反応もチェック
このときにあなたの匂いを嗅ぎに来るか。
嗅ぎに来ない子はやはり、社会化に手こずるかもしれません。
そうした確認が不可能な入手先であれば、まずはスタッフがその犬を抱いている状況で、目を見ないで正面を向かずに犬に近づいてみることです。
あなたに興味を持ち、首を伸ばして匂いを嗅ぎにくる犬は◎。そうでない犬は、社会化はしにくいかもしれません。
以上、簡単ではありますが、社会化がしやすいかという視点でのショップにおける犬選びのチェックポイントをいくつか上げました(ブリーダーで入手する際も同様ですが……)。もちろん他にもいろいろありますが、キリがないのでひとまずこれでということで。
あ、そうそう、今回のお話はあくまで、子犬を今まで育てたことがない人向けのお話です。
怖がりな犬は飼育経験豊富な人が、ぜひ率先して家族に迎え入れてあげてください。
活発な犬はトレーニングに自信のある人がぜひ。人間と同じで、やんちゃな子ほど、おもしろかったりしますので。
そうすれば、すべての犬が幸せになりますからね。
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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