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犬のしつけ教室、どのくらい通えばいい?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.83
今回は、犬のしつけ教室に関するお話。昔は訓練所に預けるケースが多かったですが、現在は飼い主さんが愛犬を連れてしつけ方を習うのが一般的になりつつあります。どれくらい通えばできるようになるのでしょうか? 長年しつけ教室を運営する西川先生が、実感を込めて語ります(編集部)。
本来の意味は、どんな親でも子どもの成長を楽しみに待ちかねているということのよう。
ゆっくりであろうが子どもの自然の成長に任せるのであれば全く問題ないのですが、つかまり立ちをするかしないかの段階で両手を持って歩かせようと、ついついやっちゃう。
先へ先へと急いで進めたがる。
私には、なんとなくそんな意味にもとれてしまう。
そう思うには訳があります。
それは多くの飼い主に、そうした傾向が見られるからです。
気持ちはわからなくないのですが……。
何かをしっかり身につけるのには時間がかかる
例えば、足し算。
一桁同士の繰り上がりのない足し算を教え、ドリルをたくさんやらせる。次に繰り上がりのある足し算を教え、これまたドリルをたくさんやらせる。さらには、一桁と二桁の足し算といった具合に、6カ月の期間を設けて教えていく。
足し算を学んでいる段階では、算数が嫌いな子の比率は少ない。
なぜなら、たくさんマルがもらえるから。
もし、この6カ月のカリキュラムを、急いだらどうなるか?
おそらくマルをもらえなくなっていくでしょう。結果、算数が嫌いになる子が増える。
犬のしつけのトレーニングも同じです。
飼い主がその場からいなくなっても、戻ってくるまでのオスワリ・マテを教えたいのであれば、6カ月程度かけて教える。リードをたるませてのお散歩を身につけさせたいのであれば、これまた6カ月程度かけて教える。
しっかりと教えるには時間がかかる。そういうものなのです。
子どものみならず大人だって
例えば、高校でのクラブ活動。それまでやったことのないスポーツや楽器演奏を入学時に始めたとします。
1学期は基礎練習に明け暮れ、夏に合宿、そして秋に新人戦デビューや文化祭での人前での演奏。
これまた、なんとなく形になるまで半年くらいかけていくのですね。
さらに成長して社会人。
なにか新しいお稽古事を始める。
これまた、人様にご披露できるまでには、半年くらいかかるものなのです。
文化的なお稽古事であれ体を動かす何かであれ、それらを身につけていくということは、脳にしっかりとした回路ができ上がっていくということ。
脳の回路は、繰り返し繰り返しそこに信号が流れることによって確かなものが構築されていく。その回路を構築するプロセスに、時間が必要ということなのです。
お稽古事のつもりで
教室は、飼い主が犬のしつけ方を学ぶ学校なのです(もちろん犬が学ぶ場でもありますが)。
そしてすでに話したように、そのしつけ方を身につけるのに、お稽古事のように6カ月程度の時間は必要なのです。
クラブ活動やお稽古事で始めた新しい何かを数カ月でやめた場合どうなるか?
私の同級生などを見ている限り、そうした人は何も始めていない人と、そう大差のないレベルで終わっています。
「お稽古事だと思って参加してください。6カ月たてばそれなりの形になります」。実際セミナーではそのような趣旨のことをお話しします。
ただ、お稽古事とは違う大きな点がある。
お稽古事は、ある程度形になったあとも、発表会があったりさらにその上の階級への階段(昇級?資格?)があったりで、その先も長くお金もかかります。しかし、犬のしつけ方には、そうしたものはありません。
ほぼ6カ月で、一生ものの犬と幸せに暮らせるすべを身につけることができるのです。
たった6カ月で、一生ものの財産と幸せな日々が手に入る。これって、お得だと思いませんか?
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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