犬と暮らす
UP DATE
シニア犬の被毛はどうケアする?注意点などを獣医師が解説
シニア犬の毛並みについて、お手入れの方法などをいぬのきもち獣医師相談室の先生に聞きました。
年齢よりも、食事や体調の変化が影響する
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下獣医師):
「毛並みは何才であっても食事や病気で変化します。病気が始まると特に変化に気づくことが多いです」
シニア犬の被毛をお手入れするときの注意点は?
獣医師:
「気管や肺、心臓に病気があると、その症状によっては、シャンプーやトリミングは負担になり命がけになることもあります。
シャンプー中は、お湯の熱気で急激に湿度と温度があがるため呼吸がしにくくなり、緊張しやすい犬や興奮しやすい犬なども体調が急変しやすい傾向に。
場合によっては途中で中断し、命を優先しなければなりません。そういったことも理解していく必要があります」
お手入れに時間がかからない工夫を
「トリマーさんと相談し、時間がかからないカットの形にする、短時間で回数を分けるといった方法も検討していけるといいでしょう。
またお家で行う場合も、なるべく短時間で済むように前もって物を準備しておき、無理をしないようにしてください。
お湯はシャワーから出すよりも、ためたお湯で流すほうが熱気が少なくなり、呼吸の負担が減ります」
シニア期になる前から、準備をしておくことも大切
「足腰が弱っている犬の場合、長時間立つことが難しくなるため、寝たままでもできる方法で行うのもひとつの手です。この場合も、時間は短くなるようにしましょう。
綺麗に整えたい気持ちがあると思いますが、シャンプーで命を落としては元も子もありませんので、状況をみて延期することも大切です。
その判断をしてくれる獣医師やトリマーと連携がとれるように、シニアになる前からコミュニケーションをとっておくことも必要でしょう。慣れた相手のほうが、犬も緊張感が減ります」
シニア犬のお手入れは、犬の負担を減らすことを一番に
獣医師:
「シニアになればなるほど、カッコよさよりも犬の生活の負担が減るように、お世話がしやすいようにしていくと楽になると思います。
分泌物で汚れ、皮膚炎も起こしやすくなりますので、ほかの病気との兼ね合いをみながらケアをしなければなりません。
若いころのようにピカピカにできないことも出てきますが、妥協点を見つけていくことが大切です」
今回うかがった内容も参考に、愛犬のことを第一に考えたお手入れをしていきたいですね。
取材・文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
UP DATE