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「なんだか愛犬の性格が変わったみたい…?」シニア期の犬が変化する理由とは
今回は、いぬのきもち獣医師相談室の先生に、シニア犬の性格の変化などについてお話を聞きました。
シニア期に入ると「性格」が変わる?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「基本的な性格は変わらないかもしれませんが、年とともに得られた経験で、少し変わってくると思います。
犬自身にも考えや要望はありますし、今までの経験から、『こうすれば自分の考えが通りやすい』ということは、どのコも学習しています。それを頑固に貫いたり、甘えたりすることで解決しようとするため、性格が変化したと感じることがあるでしょう。
また、経験から嫌いなものがハッキリしてくれば、怖がりや甘えん坊の面が出てくることも。ほかには、経験が豊かになり『どんなものも平気』というコもいます。そういったコは、どんと構えるような余裕が出てくるかもしれません。
あきらめの気持ちも出てきますので、そっけなくなることもあるでしょう」
シニア期に入ると「行動」にも変化が見られる?
獣医師:
「シニア期の犬は、感覚の衰えによって不安や恐怖を感じやすくなるといわれています。また、認知症によって感情のコントロールが難しくなっている場合も。
その結果、テレビなどの音を怖がっておびえるようになったり、不安によって留守番が苦手になってしまったりすることがあります。
なお、加齢や病気などによって不安が増加すると、分離不安になるケースも。犬が分離不安になると、飼い主さんがそばにいないときに問題行動(吠え、破壊行動など)を起こすことがあるので注意が必要です。分離不安の疑いがある場合は、早めに行動学を専門とした獣医師へ相談をしましょう」
シニア犬の行動の変化にはどう対処すればいいの?
獣医師:
「テレビの音を怖がる場合は、その音が鳴っているときにおやつやフードを与えて少しずつ音に慣れさせたり、外に出て外の空気を感じさせたりして、気分転換をさせてあげるとよいでしょう。
留守番が苦手になることに対しては、日ごろから離れて過ごす時間を設ける練習をしておくことをおすすめします。シニア犬は生活環境の変化に対応することがとても難しいですから、生活環境の大きな変化を極力避けて、不安やストレスを減らすようにすることが大切でしょう。
また、無理に留守番はさせずに、信頼できる預け先に預けることもひとつの方法です」
気になる変化が見られたときは動物病院を受診して
獣医師:
「犬は少しずつ年を重ねますので、変化は少しずつです。それが急に変化したとなると、不調が原因の可能性が考えられますので、一度動物病院を受診するようにしましょう。『今までこんなことことなかった』と感じられるようなものですと、脳に異常があるケースも見られます。
また、愛犬の性格に変化を感じた場合、近日中にあったできごとと関係があるのか、ほかに体調の変化がないのかなど、ふだんの様子も解決するための必要な情報になります。日ごろから愛犬の様子をよく観察し、忘れないように記録をつけるなどするよいでしょう」
――ありがとうございました。
取材・文/朱音
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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