周囲が囲まれているクレートは、犬にとって本能的に落ち着ける場所。ふだんからクレートに入ることに慣れさせて、生活に役立てましょう。今回は、犬が自らクレートに入るようになる方法について、ドッグトレーナーの中村太先生に伺いました。
Step1 おやつで誘導して中に入るよう教える
参考・写真/「いぬのきもち」2021年4月号『今さらだけど、いろいろ使えて、とっても便利なアイテムなんです!クレートを制する犬はしつけもお出かけもうまくいく!』
小さく切ったおやつをいくつか握り、それを与えながらクレートに近づけます。そのまま手の中のおやつをクレート内にまき、愛犬が食べに入るよう誘導を。最初はクレートの手前側に、徐々に奥側にまくようにするとよいでしょう。
最終的に、おやつがあればスムーズに奥まで入れるようになればOK。なお、練習中に愛犬を無理に中へ押し込むと、クレート嫌いになるので無理じいはNGです。
Step2 「ハウス」といいながら中に誘導する
参考・写真/「いぬのきもち」2021年4月号『今さらだけど、いろいろ使えて、とっても便利なアイテムなんです!クレートを制する犬はしつけもお出かけもうまくいく!』
おやつで愛犬を誘導する際に、「ハウス」と声がけをしてからクレート内におやつをまきます。これを何度も繰り返して、「ハウスといわれて中に入るとおやつが食べられる」と教えましょう。
おやつをまかなくても、「ハウス」だけで入れるようになったら次のステップへ進みましょう。指示を覚えたあとも、クレートに入ったらすぐにほめて、おやつを与えることを忘れずに。
Step3 扉が閉まることに慣れさせる
参考・写真/「いぬのきもち」2021年4月号『今さらだけど、いろいろ使えて、とっても便利なアイテムなんです!クレートを制する犬はしつけもお出かけもうまくいく!』
「ハウス」でクレートの中に入ったら、扉をそっと閉めて、すぐに開けます。扉を閉めている時間を少しずつ延ばしていき、扉が閉まることに慣れさせましょう。その際、ときどきは「ハウス」の指示と同時に中におやつをまき、愛犬のモチベーションをキープしてあげましょう。
扉を閉めて、5分ほど中にいられるようになればOKです。扉を閉めている間は刺激しないよう、おやつを与えたり、のぞきこんだりはせず、落ち着いた口調でほめる程度にしましょう。
Step4 中で長時間過ごすことに慣れさせる
参考・写真/「いぬのきもち」2021年4月号『今さらだけど、いろいろ使えて、とっても便利なアイテムなんです!クレートを制する犬はしつけもお出かけもうまくいく!』
「ハウス」で中に入ったら扉を閉め、2時間ほどそのままにして、中で長時間過ごすことに慣れさせましょう。その間、飼い主さんはできるだけ同じ部屋で過ごし、遠巻きに愛犬の様子をうかがって。途中で鳴いたり、騒いだりしても無視して、「騒いでも出られない」と教えます。
愛犬をクレートに入ることに慣れさせておけば、災害時や移動時などストレスを感じやすい場面でも、安心して落ち着かせることができます。万が一のときに備えて、愛犬が自分からクレートに入るよう教えておきましょう。
お話を伺った先生:中村太先生(「ナカムラ・ドッグ・スクール」「いぬのようちえん」主宰)
参考・写真/「いぬのきもち」2021年4月号『今さらだけど、いろいろ使えて、とっても便利なアイテムなんです!クレートを制する犬はしつけもお出かけもうまくいく!』
文/宮下早希