愛犬のしつけについて、雑誌『いぬのきもち』読者モニターから寄せられた疑問のうち、とくに多かったものを厳選し、一問一答形式で、家庭犬しつけインストラクターの戸田美由紀先生からご回答いただきました。今回は、シチュエーションが変わると指示しつけがうまくいかないというお悩みについての対策をご紹介します。
Q.家では聞いてくれる指示を、外では聞いてくれません。
A.玄関→人通りの少ない道→公園など徐々にレベルアップしましょう。
「外には通行人や車など、犬にとって刺激になるものが多々あります。同じ指示しつけを教えるのにも難易度がかなり上がるので、まずは家の前などで練習し、慣れてきたら人通りが少ない広めの道など、少しずつ刺激の強い場所に移動していきましょう。
手からおやつのニオイをかがせて、それでも愛犬が集中できなければ刺激が強すぎる状態にあります」(戸田先生)
Q.犬に「ダメ」を伝える指示しつけはありますか?
A.何がダメかより、何をすべきか教えましょう。
「犬は人のように複雑な言葉はわからないので、ダメと言われても、何がダメなのかは理解できません。何をしてほしいかを伝えたほうが確実なので、たとえばソファに上ったときは『オリテ』、入ってはいけない場所に入ったら『デテ』など、愛犬にしてほしい行動を指示しましょう」(戸田先生)
Q.愛犬は興奮すると指示しつけが通じなくなります。
A.エネルギーがあり余っているのかも。散歩や遊びで発散させてみて。
「興奮しすぎて指示が聞けないのは、体力があり余っていて、興奮しやすい状態になっている可能性があります。いつもより多めに散歩をしてみたり、引っ張りっこ遊びやモッテキテ遊びなどでエネルギーを発散させてから指示するとよいでしょう」(戸田先生)
Q.愛犬は私が大好き。私の指示しか聞きませんがOK?
A.いろんな人の指示が聞けるほうがいいですね。
「愛犬に特別に思われているようで、飼い主さんにとってはうれしく感じることかもしれません。しかし飼い主さんが急な病気やケガをしたときや災害時など、ほかの人の手を借りなければならないシーンもあるので、どんな人の指示でも聞ける犬に育てるほうが愛犬も飼い主さんも安心です」(戸田先生)
ぜひ、あきらめずに根気よく実践してみてくださいね。
※この記事ではお話を伺った先生のご経験をもとに、あくまでもご見解のひとつとしてご回答いただいています。
お話を伺った先生/日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター。DOG IN TOTAL主宰 戸田美由紀先生
参考/「いぬのきもち」2022年2月号『しつけのギモン一問一答36』
イラスト/泰間敬視
文/いぬのきもち編集室