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散歩、ドッグランなどでトラブルに… 愛犬との外出で起こりがちな「困りごと」への対処法|獣医師解説
【調査】愛犬との外出で困った経験がある?
「ドッグラン/散歩/動物病院/実家など親戚宅/その他」の選択肢より選んでもらったところ、「散歩」「ドッグラン」で困った経験がある人が多いとわかりました。
それぞれの外出先での困ったエピソードとして、飼い主さんたちから下記のような体験談が寄せられています。
散歩
- 「散歩で人に会うと、怖がって家に帰りたがります」
- 「スケボーなど苦手な物に出くわした後は、何週間もの間、散歩中に震えて怖がるので、散歩に連れ出すのがとても大変」
- 「拾い食い」
- 「ドングリなどを食べたりしたときに『出して』って言ったり、『ダメ』って怒ったら、さらに意地でも食べたりします。すごく力強く急に引っ張ったり、意地でもその場から動かなくなったりします」
- 「会う人、ワンコに吠えてしまい、困ったことがあります」
- 「他のワンちゃんを見ると、もの凄く吠え、リードを引っ張る。(中には吠えないコもいる)なるべく他のワンちゃんに会わないようにしてはいるが、やたらめったら吠えるので、困っている。(もの凄く吠えるのに、相手のワンちゃんが居なくなると、寂しそうにクンクン鳴く)」
- 「他の飼い主さんに一度『大丈夫ですよ』と言われて愛犬が近づいたら、突然噛まれてしまいトラウマになり、1年近く犬を怖がるようになってしまい、ビクビクするように。今はようやく興味を持って近づこうとはしますが、相手が動くとパッと逃げたり、常に逃げられる体勢でいます」
- 「すれちがう人に『かわいいねー』と話しかけられ、急に撫でられた。怖がって噛みついてしまったらどうするのかとイラっとした」
ドッグラン
- 「ドッグランに行ったのに、固まって一歩も動かず帰ってきた」
- 「とにかく他の犬がいると絶対中に入らない」
- 「犬同士の喧嘩」
- 「他の犬に追い回されたことがある」
- 「いきなりマウンティングされて、そのコの飼い主が全然止めてくれなかったこと。ドッグランにいるときは、自分のコから目を離さないでほしい」
- 「飼い主がちゃんと犬の行動を監視せずに、ウチのコに噛みつきにきたのに、放置してたこと」
- 「元々大好きだったドッグランだったのですが、ほかのコに必要以上に追いかけ回されたことがあります。それ以来怖くて、ドッグランに行くと『抱っこ抱っこ』と鳴き続けるようになってしまった」
- 「自分の犬を全然見ていなくて、うんちしっぱなしだったり、吠えたり、安心してフリーにできなかった」
動物病院
- 「病院の中に入るのを嫌がる」
- 「病院で大鳴きしているとき」
- 「よその犬に吠えてしまう。バイクの音に興奮して吠えたり、暴れたりする」
- 「よそのワンちゃんがいることに大喜び、興奮して騒がしかったので、外で待つことになりました」
- 「待合室で鼻鳴き&他のワンちゃんに吠え続けて、診察室に入ると、(嬉しくて?)お腹を出し、しっぽを激しくフリフリ…何才になっても変わらず、連れて行くこちらがぐったりと疲れてしまいます」
実家など親戚宅
- 「実家に行くと、シートにも排便、尿はするが、他の場所にもマーキングする」
- 「実家に連れて行くと、そちらにも飼い犬がいるからか、先住犬に気を遣ってかごはんを食べません。オシッコもトイレでなく、カーペットでしてしまいます。帰宅するとちゃんとごはんも食べるし、トイレもきちんとします」
- 「落ち着かない…ずっと側にいてストーカー化して付きまとわれ…慣れない場所はほんと苦手みたいです」
- 「夫の親戚宅に犬を連れて行った時に、親戚の子供たちから抱っこ攻撃が始まり、犬の取り合い状態になってしまい、犬も困っていた。優しく注意しても聞いてくれず、困りました」
その他
- 「車酔いをしてよく戻してしまう」
- 「車に乗ると震える。出掛けるとトイレを全くしない」
- 「ペット可の飲食店などに行くと、私がトイレに行っただけで吠えまくる。外に出ると、分離不安症気味になる」
【獣医師解説】愛犬との外出で起こる困りごと 対処法はある?
ここからは、「犬との外出で起こりがちな困りごとの対策」について、いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
散歩での困りごとの対策
まず、引っ張りグセに対応する際には、飼い主さんの歩くペースで散歩するためのトレーニングが大事です。
方法としては、まず愛犬が飼い主さんの横にいるようリードの位置と長さを一定に保ち、その状態で歩くようにします。
愛犬がそばを離れてリードを引っ張ったら、その場に立ち止まり愛犬を呼び戻しましょう。呼びかけで戻ってきたら、褒めてご褒美を与え、歩くことを再開します。
愛犬が飼い主さんとペースを合わせて上手に歩けている際にも、時折呼びかけてアイコンタクトをし、うまくできたら褒めてご褒美を与えるのもおすすめです。
愛犬が『歩いている時に飼い主さんに注目すると良いことがある』『声掛けに反応すると良いことがある』と学習すると、引っ張らずにペースを合わせて歩くことも比較的受け入れやすくなります。
他の犬に対しての吠えについては、まず“愛犬が他の犬とどのくらい離れていれば吠えずにいられるか”を観察することから始めます。
おおよその目安が分かったら、まずはその距離を十分保った状況で、他の犬に対して吠えずにやり過ごすことから練習してみましょう。
その状況で『オスワリ』『マテ』など、愛犬がもともとできるしつけの動作を促すことも、愛犬が飼い主さんの声に集中することで、相手の犬からさらに気を逸らしやすくなる効果が期待できます。
吠えずにやり過ごせたら、褒めながらおやつを与えましょう。
この対応に慣れてきたら、相手の犬との距離を徐々に短くしてみるなど、無理のない範囲でステップアップしてみるのもひとつです。少しずつ練習を重ねましょう。
他の犬との関わり合いについては、犬同士の相性によるところが大きいでしょう。犬同士を対面させるときは、愛犬が自ら相手の犬に近づく様子があるかを確認しながら、少しずつ距離を縮めます。
危なそうだったらすぐに連れ戻せるようリードは短く持ち、愛犬や相手の犬が警戒する様子がある際には、それ以上無理をせずに一旦しっかり離れて、クールダウンしましょう。
なお、散歩中に人や犬が近づいてきた場合には、愛犬と飼い主さんは元来た道を引き返して路地に入って相手を避けるなど、落ちついた環境で相手の通過を待つ対応をするのもひとつです。
それが難しい場合には、その相手と愛犬との間に飼い主さんが遮るように立って相手の通過を待つのも、愛犬と相手との距離が保ちやすくなります」
ドッグランでの困りごとの対策
ドッグランの中に入ったときは、最初のうちは愛犬にリードをつけた状態で様子を見ましょう。もし相性がよくなさそうなコがいたら違うランに移るなどして、トラブルを避ける工夫をしてみてください。
ドッグランには時折マナーの悪い飼い主さんもいるようですが、直接注意するとトラブルになる可能性があるので、利用の際の困りごとについては、まずはそのドッグランの管理スタッフに相談するなどの対応から始めるとよいでしょう」
動物病院での困りごとの対策
動物病院が苦手な犬への対策としては、日常的にお手入れなどで通院し、スタッフに持参したおやつを与えてもらうなどして、病院に慣れさせておくとよいと思います。
どうしても病院で大騒ぎしてしまうコは、診察の順番が回ってくるまで車や外で待ったり、自宅で待機して順番がきたら連絡をくれる動物病院を選んでみてはいかがでしょうか」
実家など親戚宅での困りごとの対策
また、外出先でも愛犬が普段から食べ慣れているものを与えたり、匂いのついたベッドなどを持参するなどして、少しでも安心して過ごせるようにしてあげましょう」
車酔いをしたり、車に乗るのが嫌いな犬への対策
車に乗るのが苦手な犬には、車が止まっている状態で数分過ごすことから始め、徐々に慣らしていく練習をしましょう。その際、必ずご褒美をあげるようにしてください。
車酔いをしてしまう犬の場合、動物病院で事前に酔い止めを処方してもらうこともできるので、相談してみてください」
ぜひ、今回のアンケートの体験談と具体的な対策を参考にしてみてくださいね。
いぬのきもちWEB MAGAZINE『愛犬との外出で困った経験に関するアンケートvol.01』
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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