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犬の消化器病~症状と対策・食事療法

食物を食べて排泄するための器官を消化管といい、消化管の病気を総称して消化器病とよびます。犬がフードをおう吐したり、下痢をしたりしても「いつものこと」と思っていませんか。消化器病について知って、病気の早期発見につとめましょう。

寄生虫からストレスまで 原因はさまざま

 消化管とは、口からお尻までの、食物を食べて排泄する器官のことで、口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸に分けられます。これらの器官にトラブルが起き、食物の消化や栄養素の吸収能力が損なわれた状態を、消化器病といいます。食物の出入り口の間の病気ですから、おう吐、下痢、便秘といった症状がよく現れます。
 おう吐や下痢の原因はさまざまです。寄生虫やウイルス、細菌感染によるものや、食事が原因になることもあります。急にフードを替えたり、食べすぎたりしても消化不良が起きます。新しい家族やほかの動物が増えたり、引っ越したりといったストレスも、原因になります。

おう吐は、胃を休ませてから 失われた水分やミネラルを補充

 胃は、口で噛み砕いた食物をため、胃液で溶かして消化する器官です。
 犬はもともと吐きやすい動物で、生理現象で吐くことも多いものです。しかし、繰り返しておう吐している場合は胃炎が疑われるので、放置せずに、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
 胃液を吐くことで水分やミネラルが失われているので、診断によっては、まず輸液でそれらを補うことがあります。獣医師の診断に従って、その後少しずつフードを与えていきますが、症状に応じて、消化吸収しやすく失われたミネラルが多く含まれている療法食が使われます。

一過性のおう吐? 病気のおう吐?  どう判断!?

 犬は食べ過ぎや早食いなど、さまざまな理由で吐きます。吐いたものが消化途中のフードや胃液などで、吐いたあとも元気なら、単なる生理現象かもしれません。飲み物を自由に飲めるようにして、異変がないか見守りましょう。
 吐いたものに血や異物が混じっている、何度も吐く、吐いたあと具合が悪そうにしている、食事量が減っている、下痢をしていたりウンチが出ていなかったりといった異常があるならば、獣医師に相談しましょう。動物病院に行くときには、吐いたものを持っていくか、写真に撮って見せるようにします。

慢性の下痢には 食事療法中心の治療も

 下痢の原因はさまざまで、小腸に原因がある場合もあれば大腸に原因がある場合もあります。動物病院に行くときは、ウンチを持っていくか、写真に撮っていきましょう。
 おう吐の場合と同様に、獣医師の指示に従って腸を休めたあと、体に吸収されずに失われた水分や、栄養素を多く含む消化のよいフードを少しずつ与えて回復をはかります。
 慢性の腸炎では、食事療法を行うことが多くあります。腸の正常な活動を助ける繊維を強化した療法食を与えることがありますが、メーカーによって繊維の種類や割合に違いがあるので獣医師の指導によく従ってください。

充分な水分摂取とともに、 腸の活動の正常化をはかりたい

 便秘は、ウンチの回数が通常より減ったり、ウンチが出にくくなって苦痛を伴ったりする状態のことをいいます。水分摂取が少ないと起きやすいほか、肛門に通じる結腸の閉塞によっても起きます。運動不足や、トイレが汚れて使いたくないなども原因になります。
 水分不足が原因の場合は、飲み水をあちこちに用意して、いつでも飲めるようにするほか、カツオのだし汁や肉のゆで汁で、フードに風味を付けるのもよいでしょう。ウエットフードに切り替えるのも方法です。結腸の運動性を調整する、繊維質の多い食事も便秘の解消に役立ちます。療法食のほか、サプリメントが処方される場合もあります。
引用元:いぬのきもち『愛犬の栄養学事典』
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