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聴覚や視覚に異常をきたす可能性も。絶対NGな「犬の毛色のかけあわせ」

犬の交配を考える際、飼い主さんは知っておくべきことがあります。
そのひとつが、「毛色のかけあわせ」について。
じつは、「障害のあるコが生まれやすい毛色のかけあわせ」があるのです。
この記事で、くわしく見ていきましょう。
とくに、トイプードルやミニチュア・ダックスフンドの飼い主さんは必読です!
色素の欠落は、関連する障害や臓器の欠損を意味する
皮膚や毛色を形成する「メラノサイト(色素細胞)」は、じつは胎児期の神経細胞に由来し、耳や目、副腎や神経系の形成にも大きく関係しています。
そのため、メラニン細胞にかかわる遺伝子の異変は、毛色の変化だけでなく、聴覚や視覚に異常をきたしたり、臓器の欠損となる場合もあるのです。
トイ・プードルの毛色のかけあわせ方
トイ・プードルの毛色は、ほかの犬種と異なり白や黒、茶色といった「単色」が基本ですよね。
そのため、毛色の組み合わせは単色同士の「白×白」「黒×黒」、そして多色の「アプリコット×アプリコット」「ブラウン×ブラウン」など同系色がベストとされています。
「アプリコット×ブラウン」「レッド×ブラウン」「クリーム×ブラウン」などのかけあわせは、視覚障害が起こるかも……

では、「多色×多色」をかけあわせるとどうなるのでしょうか?
たとえば、「アプリコット×ブラウン」「レッド×ブラウン」「クリーム×ブラウン」などの系統の異なる多色同士を組み合わせると、視覚障害を引き起こす可能性があります。
高い確率で先天性疾患の子犬が生まれるケースは、「マール遺伝子」保持同士の交配
先天性疾患や障害をもたらす一因として挙げられるのが「マール遺伝子」。
この遺伝子は、部分的に色素生成を抑制するはたらきがあり、その結果被毛の一部が極端に薄くなったり白くなったりする「ブチのような状態」をつくり出します。
この抑制が無作為に行われるため、目に作用した場合は視覚障害、内臓や神経に作用すれば重篤な疾患につながるおそれも。
そのため、この遺伝子をもつ犬同士の交配は絶対に避けるべきなのです!
首から上に白が多い場合は、視力や聴力の障害に注意を!

とくに、コリーやシェットランド・シープドッグ、ミニチュア・ダックスフンドなどに多く見られる「ダップルカラー」は、ベースカラーとなる毛色に、それよりも濃い同系色と白がまだら状に入るのが特徴です。
たとえば、ミニチュア・ダックスフンドの場合では、グレーやチョコレートのベースカラーに、まだらが入る毛色がおなじみに。
ただ、白毛の分量が多くなると(とくに首から上)色素の欠落度合が増し、先天性の眼科疾患や聴覚障害を引き起こす可能性が高まります。

もっとも注意したいのは、「ダップル×ダップル」のかけあわせだと覚えておいてください。
出典/「いぬのきもち」2016年10月号『いぬのきもち 秋のオープンキャンパス開講!! DNA・交配・気色など、犬の不思議をお勉強』
文/Honoka
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。写真と内容に関連性はありません。
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