犬の熱中症は発症すると分刻みで進行し、短時間で命を落としてしまうこともある恐ろしい病。しかし、なんの前触れもなく血を吐いたり痙攣を起こしたりするわけではなく、重篤な症状が出る前に必ず初期症状が見られます。
この記事では、熱中症の初期症状を4つ紹介します。いずれも重要なポイントなので、愛犬の異変を素早く察知できるよう、ぜひ覚えておいてくださいね。
【1】ハアハアしていて息遣いが荒い
犬は体温が上がると、鼻と口の両方で呼吸することで水分の蒸発を増加させて、体温を下げます。荒い息遣いでいつもよりハアハアしているときは、熱中症で体温を下げるのに必死になっている場合も。
【2】体が熱くなっている
耳やわきの下、お腹に手を当てて、いつもより熱いと感じたら体温を測って確認してあげてください。ワンちゃんの体温は通常、体温中枢でコントロールされていて、平熱は耳の中と直腸温で約38~39℃。体温40℃を超える状態が続くと危険です。
だからこそ、ふだんから愛犬の体温を知っておくことが大事。習慣的に測ることで、犬が検温に慣れるメリットもあります。
なお、犬の体温計は耳で測るものと肛門で測るものがあり、それぞれ温度が違うので常に同じ部位で検温しましょう。
【3】舌や歯ぐきが赤くなる
熱中症になりかけている犬は、粘膜の血色がよくなります。これは息づかいが荒くなって心拍数が上がり、脈拍も速くなっている証拠。血管を拡張させ、熱交換を盛んにすることで、犬は体表面の温度を下げようとするのです。
舌や歯ぐきの色が赤くなるのは、熱中症のサインといえます。
【4】ウロウロして落ち着きがなくなる
愛犬がウロウロするのは、苦しくてどこか涼しい場所を探している行動かも。また、体温がコントロールできず、体の変化を感じて落ち着きがなくなっている可能性もあります。
以上が、犬が熱中症になりかけたときに見せる4つの初期症状です。愛犬の変化に気付き、素早い対処を心がけてくださいね。
なお、涼しい場所に移動させても落ち着かず、嘔吐や大量のヨダレが出ている場合、その他異常を感じた場合は、自己判断せず一刻も早く体を冷やして病院に連れて行ってあげましょう!
出典/「いぬのきもち」2016年7月号『少しの油断が命とりになるから知っておいて 本当に怖い熱中症の真実』
文/サモ江戸