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愛犬に感染するダニについてのまとめ~種類、症状、取り方、治療法、予防法

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愛犬との生活で気になるのが「ダニ」。特に愛犬が大好きな草むらなどにひそんでいるマダニは、感染すると駆除も大変ですよね。では犬はどんなダニに感染するのでしょうか? ダニの種類や感染したときの症状、治療方法などをまとめました。

1.ダニの種類と治療法

さまざまな病気を媒介する「マダニ」

犬につくダニは大きく分けて4種類です。マダニ、ヒゼンダニ、ニキビダニ、ツメダニです。この中ではマダニがもっとも犬や人間に影響が大きく、さまざまな病気を媒介するため注意が必要です。現在日本で確認されているマダニは50種ともいわれ、その中でも キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、シュルツェマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、タカサゴキララマダニ、などが病原体を媒介するといわれています。湿った草むらの中などに潜んでいて、散歩の際人間やイヌについて吸血します。最初は大変小さいので気が付きにくいのですが、吸血をすると腹部がどんどん膨らんで5㎜程度になりますので、そうなってから発見されることが多いです。その際ダニの唾液中に潜んでいる病原体が犬や人に伝搬されます。犬の主な病気はバベシア病、ライム病、ヘパトゾーン症、ダニ脳炎、Q熱、野兎病などで、人間に感染するのはライム病、エールリヒア病、日本紅斑熱、SFTSなどとなります。これらの病気には予防法も治療法もないので、対症療法のみになります。症状は貧血、頭痛、発熱、倦怠感、発疹、リンパ節の腫脹などがみられ、なかには神経症状、消化器症状など全身に重大な影響を与え、ときには死に至る場合もあります。

激しいかゆみを引き起こす「ヒゼンダ二」

ヒゼンダニはイヌセンコウヒゼンダニが角質層に穴を掘って生息し、皮膚を破壊し、分泌液を放出するため、フケ、発疹、かさぶた、激しいかゆみを引き起こします。疥癬と呼ぶこともあります。感染犬との接触や、バリカン、ブラシを経由しての感染になります。治療は殺ダニ剤の投与と塗布で、2~4週間かかります。
ミミヒゼンダ二は耳にだけ感染するダニです。栄養源は耳の中の耳垢や傷ついた皮膚のカサブタ、リンパ液、血液などで、耳の皮膚に侵入することはありませんが、耳垢を分泌する腺組織を刺激するため激しいかゆみを引き起こします。黒い多量の耳垢が特徴です。治療は殺ダニ効果のある滴下剤や経口薬を投与し、耳の洗浄を行います。

皮膚が赤くただれる「ニキビダニ」

ニキビダニは毛包虫とも呼ばれ、これによる感染をアカラス、毛包虫症といいます。ニキビダニは健康な皮膚にも常在しますが、皮膚病変を発症する個体は遺伝的、またはホルモン等の疾患により免疫力が低下していると思われますので、治療によく反応しない場合が多いです。感染経路は母子感染のみが確認されています。ほかのダニの疾患と同様殺ダニ剤の塗布、投与を行いますが、皮膚の免疫力次第で、再発を繰り返します。

大量のフケが特徴の「ツメダニ」

ツメダニは動くフケと呼ばれることがあるように、被毛の根元に鋭い鉤爪で皮膚に取りつき、傷をつけて体液やリンパ液を摂取します。主な症状は多量のフケ、ただれ、かさぶた、かゆみです。皮膚の中に寄生するわけではないので、宿主から離れても10日くらいは生存することができるので、環境の整備も大切です。治療は殺ダニ剤の含まれたシャンプーと殺ダニ剤の投与です。

2. マダニを除去するにはどうしたらいいの?

愛犬の体にマダニを見つけたとき、除去するには滴下タイプまたは投薬タイプの殺ダニ剤を使用するのが最適ですが、直ちにそれらの薬が手に入らない場合は、以下の方法があります。

① 殺虫剤をしみこませた綿棒やワセリンをダニの体や吸血している部分に塗る
② 酢やエタノールをコットンにしみこませたものでダニの体をすっぽり覆う。

①と②を試すことで、マダニが落ちることもあります。そのときはピンセットでつまんだり手で無理に引っ張ると口器が犬の体に残り、痛みが残ったり皮膚炎になりますので注意が必要です。いずれにしてもこのような方法でダニを除去した後は念のため受診しましょう。一般的にマダニによる病原ウイルス等の感染する確率は吸血後48時間経過後から急速に高まるといわれています。そのような意味でもあらかじめ殺ダニ効果のある薬を投与しておくことが最適な方法といえます。

3. ダニの予防法

ダニは通年生息していますが、活発に吸血するのは春先から秋口にかけてとなりますので、ダニの予防は4月から10、11月ごろまで(地域によって変動します)行う必要があります。1か月に一度皮膚に滴下するか、経口投与する予防薬や、半年、または通年注射で予防する薬があるので、それぞれの事情に適したタイプを選びましょう。

4. 殺ダニ剤の種類と気をつけたいこと

殺ダニ剤の主な成分はイベルメクチン、ミルベマイシン、セラメクチン、フィプロニル、アミトラズ、スピノサド、アフォキソラネルなどです。
製品名はコンフォティス、ネクスガード、フロントライン、マイフリーガード、アイボメックなどです。皮膚に滴下するタイプ、経口的に投与するタイプ、注射で投与するタイプなどがあり、薬剤によっては犬種やフィラリア感染の有無で副作用が出る恐れがあるので、投与に当たっては獣医師とよく相談する必要があります。料金は体重5㎏以下の犬で1か月あたり1000~2000円程度でしょう。

この記事は、いぬのきもち相談室の獣医師が執筆しています。

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