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犬の熱中症についてのまとめ~症状、原因、対策、予防法、治療法

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人と同じように、犬も熱中症にかかります。室内ももちろんですが、散歩のとき犬は人間よりも地面に近いため、人よりも高い温度の中を歩いています。熱中症は短時間で命に係わることもありますので、熱中症にかかりやすい状況と予防を知って気を付けましょう。また、応急処置も覚えていたいですね。

1. 犬が熱中症にかかる時期と症状とは?

犬が熱中症になる時期とは?

熱中症と聞くと、夏の暑い時期の病気と思うかもしれません。実は熱中症は4月下旬から発生数が増加します。これは人も同様で、統計によると5月の一か月間で熱中症で救急搬送された方は3,000人を上回るそうです。

熱中症の症状とは?

軽度から中等度にみられる症状は以下のとおりです。
・元気がない、ぐったりしている
・食欲不振
・呼吸が荒い
・大量のよだれ
・悪心、嘔吐
・下痢
・高体温 40℃以上

重度の熱中症になると、ふらつき、けいれん、意識障害、ショック状態となり、死亡することもあります。重度の熱中症の場合、急性腎不全、播種性血管内凝固、脳障害などが起こる恐れがあり、それによる後遺症のリスクがあります。具体的には慢性腎不全、肝障害、脳障害からの神経症状(発作やふらつきなど)があげられます。

2. 犬の熱中症の原因とは?

熱中症の原因や要因

体表に多量の汗をかく人と違って、犬の発汗部位は肉球など限られています。このため汗をかいて体表を冷やして熱を下げることはできません。そのかわりに口を開けて呼吸するパンティング呼吸をし、唾液を蒸発させることにより体にこもった熱を外に逃がして熱を下げています。

これがうまくいかない場合、体内に熱がこもってしまい熱中症を発症します。熱中症になるリスクとしては以下のものがあげられます。

環境リスク 「高温、多湿な環境」

高温下はもちろん、湿度が高いと唾液が蒸発しづらくパンティング呼吸がうまく機能しないため、熱中症リスクが上がります。また、犬は人よりも体高が低く地面に近いため、人が感じるより暑い環境にいるため注意が必要です。

環境リスク 「屋外飼育」

犬舎の中は換気が悪く熱がこもりやすい環境です。避暑できるスペースや、あまり暑い日は室内に避難させるなどの対応が必要です。

環境リスク 「空調を使用しない室内、車内」

閉め切った空間では、気温も湿度も急上昇します。お留守番させる際は、冷房をかけて外出しましょう。また、真夏の車内は冷房を切って、からわずか15分で人間の熱中症危険レベルに達するそうです。車内に置き去りにするのは絶対にやめましょう。

犬の持つリスク 「短頭種」

パグやフレンチブルなどの鼻の詰まった犬種を「短頭種」といいます。彼らは鼻や喉がほかの犬種に比べて非常に狭く、暑さでパンティング呼吸が増えると「喉頭浮腫」を引き起こして、呼吸困難となりやすい犬種です。喉頭浮腫と喉が腫れあがってしまうことをいい、人でもアレルギーなどで起こす症状のひとつです。

犬の持つリスク 「肥満」

分厚い皮下脂肪や首についた脂肪が、気管を圧迫することがリスク因子となります。

犬の持つリスク 「老犬・幼犬」

老齢や若齢犬は体温調節が上手にできず、熱中症を引き起こしやすいといえます。

犬の持つリスク 「持病がある」

心臓病・腎臓病・呼吸器系の病気(気管虚脱など)を患っている場合は注意が必要です。

犬の持つリスク 「黒い被毛」

黒色は太陽の熱を集めやすく、熱がこもりやすいと考えられます。

犬の持つリスク 「寒冷地原産の犬」

シベリアンハスキーなどの寒い地域で暮らしていた犬は、体毛が厚いため身体に熱がこもりやすく、熱中症になりやすいと言えます。

黒色は太陽の熱を集めやすく、熱がこもりやすいと考えられます。

犬の持つリスク 「短足の犬種」

ダックスフントやコーギーは足が短いため、地面の熱の影響を受けやすいです。

3. 熱中症になってしまったときの対処・治療法

応急処置の方法とは?

熱中症になった場合の応急処置としましては、まずは涼しいところに愛犬を移動させます。次に水をかけて身体を冷やしましょう。保冷剤などを使用する場合は首・脇・後ろ足の付け根(内股)にあてると効率的に冷やせます。氷水などを使用しても構いませんが、体温が38.0度を下回らないように気をつけましょう。

意識がはっきりしているときの、応急処置の方法とは?

意識がはっきりして飲み込みができる場合は、少しづつであれば飲水させても構いません。ペット用のイオン水でも構いません。ただし飲水は愛犬の状態によって誤嚥や下痢、嘔吐の原因となる恐れがあります。飲ませる場合は少量ずつ口に含ませ、飲み込むようであればゆっくり飲ませてあげましょう。飲み込みが難しそうな場合は決して無理せず控えた方がいいでしょう。

意識がないときの、応急処置の方法とは?

愛犬がけいれん・意識がない・ぐったりしているなどの場合は重度の熱中症となっている可能性があるためすぐに受診しましょう。病院に連れていく際は、保冷剤などで身体を冷やしながらのほうが望ましいでしょう。この場合、処置が早ければ早いほど、回復率が上昇します。かかりつけが遠方であったり、休診の場合などは、すぐに受診できる動物病院をみつけて向かったほうがいいでしょう。

受診する際は事前に電話で名前・犬種・症状・到着時間の目安などを伝えておくと、病院側もスムーズに対応でき円滑に処置ができると思われます。

熱中症のときに注意したいこと

注意しなければいけないのは「応急処置で状態が回復した場合でも、内臓などにダメージが残っていたり、後から症状が悪化することがある」ということです。愛犬の様子が落ち着いた場合でも、必ず当日中に受診しましょう。

4. 熱中症の予防方法、グッズ

室内にいる際、お留守番させる際の対策

熱中症は、どんな犬でもかかりうる身近で危険な病気です。室内にいる際、お留守番させる際には、下記の対策があります。

・冷房を使う
適温は25~28℃です。また、多湿の状態ではパンティング呼吸により熱を放散しにくくなるため湿度も40~50%程度になるようにしましょう。
・カーテンなどで遮光する
・冷却パッドなどを敷き、涼める場所を作る
・お水を数か所に置き、常に飲める状態にする
・クレートを直射日光の当たらない涼しい場所に移動させる

お散歩に行く際の対策

・早朝や夜など、日の当たらない時間に行う
・愛犬が歩く前に地面に触れて温度を確かめる
日が落ちていても地面が熱い場合があります。
・冷却グッズを使用する
首に巻く保冷材や冷却効果のある洋服など。特に被毛の黒い犬は白色など光を反射する色の服を着せた方が良いでしょう。
・適度な休憩、水分補給を心掛ける
愛犬が元気そうでもこまめに休憩・水分補給を行いましょう。凍らせたペットボトルは冷たい水を飲ませたり、身体を冷やすのに効果的です。毎回のお散歩に持参できるよう冷凍庫で作り置きしておくことがおすすめです。

体調の優れない日のお散歩は控える…食欲が落ちていたり、元気がない日は熱中症リスクが高いと思われます。真夏の散歩は体力を使いますので愛犬が散歩に行きたそうでも無理は禁物です。

毛足の長い犬の対策

毛足の長い犬は、暑い時期は短くカットすることにより身体に熱がこもりにくくなります。シャンプーなどもしやすくなるので検討してみてもいいかもしれません。ただし、犬種によっては短く刈った後に毛が伸びなくなることがまれにありますので、獣医師やトリマーに相談してから行いましょう。

この記事は、いぬのきもち相談室の獣医師が執筆しています。

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