犬と暮らす
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愛犬が散歩中に“思わぬもの”を食べて冷や汗… 「拾い食い」の原因と対策は?
【調査】愛犬が散歩中に拾い食いをすることがある?
【体験談】愛犬はどんなものを拾い食いしたの?
飼い主さんたちから寄せられたエピソードを紹介します。
パンくず
- 「なぜか散歩コースの駐車場に一口大にちぎれたパンが落ちていて、ぱくっとくわえた」
- 「道端に落ちていた小さなパンくずを避けようとした瞬間に、食べてしまった」
- 「近所の人がまいたであろう鳥への餌の食パンを小さく切ったもの」
- 「夜の散歩だったので、何かわからなかったが、すぐに取り上げて投げ捨てた。触った感じからすると、パンだと思う」
タバコの吸殻
- 「タバコの吸殻。飲み込むことはないものの、口にしてしまうので気をつけるようにしています」
- 「今はありませんが、小さいときは落ちているタバコの吸殻や小石を食べたことがあります」
小石
- 「気になるものを口に入れてしまうので、リードを短く持って散歩していますが、臭いを嗅いで楽しんでると見せつつ、小石や土を口に入れます。無理に吐き出させようとすると飲み込んでしまうので、飽きて吐き出すまで様子を見てます」
- 「今はなくなりましたが、1才になる前まで石を拾って食べることがありました」
- 「子犬のときに、小石を食べてしまいました」
干からびたミミズ
- 「落ち葉や干からびたミミズなど」
- 「干からびたミミズを見つけて、パクッと」
- 「干からびたミミズ、鳥の羽はしょっちゅうくわえて離しません。気がつくとクチャクチャ食べてしまいます。枯れ葉や小枝も食べます」
ウンチ
- 「ネコのフンだと思う…」
- 「他の犬のウンチ」
- 「飼い始めた頃のときの散歩の最中に、野良猫のものであろうウンチを食べたことがあります。慌てて口の中に指を突っ込んだものの、そのまま飲み込んでしまいパニックになりました。今でもウンチを見ると寄っていこうとするし、松ぼっくりなどの茶色いものを見るとすぐさまそちらに行こうとするので、制止してます」
- 「子犬時代に、拾われていない他の犬のウンチを口に入れた。旦那があわてて口の中に手を入れて取り出しましたが、手はウンチだらけでした」
草や落ち葉
- 「落ち葉を噛むのが好きで、噛むだけで口から出すのだけど、最初は食べるのかと思って取り上げようとした。そうしたら、取られまいと食べてしまった。今はない」
- 「生えている草花、落ちている葉っぱ」
- 「アスファルトの隙間に生えている苔や、雑草を食べる」
- 「枯葉を見つけると必ず咥えて、もぐもぐ食べ始まります」
- 「落ち葉や枝を追いかけてパクリ…。お散歩の際に笑顔のことが多いので、すぐに落としてしまいますが、咥えたままのときには『離せ』の一言ですぐに落とします」
愛犬が拾い食いしてしまったものは、ほかにも…
- 「住宅地の茂みでモソモソしているな、と思ってリードを引っ張ったら『おにぎり』をくわえていたことがあります。慌てて口からかきだしました」
- 「道に落ちていたエビフライの尻尾を食べてしまった。『何か落ちてるな?』と思うと同時に、犬が食べてしまった。急いで口を開けさせたけど、エビフライの尻尾が一瞬見えたあと、丸飲みしてしまった」
- 「青梅の実。毒があるので慌てて病院に連絡しました。幸いまだ若い実で種も柔らかかったので自宅で様子を見ることになり、体調に異常もあらわれず大丈夫でした」
- 「餌のついた釣り針をパクっとしてしまった。どうにか取ることができ、念のため病院で診てもらったら、傷ついてもいなかったので良かったです」
- 「ゴム風船の萎んだもの。においを嗅いでいるだけかと思っていたら、なくなっていた」
- 「蛇の脱け殻を持って来たときはビックリしました」
【獣医師解説】犬が散歩中に拾い食いする理由は?
拾い食いをしやすい犬には、何か傾向が見られるのでしょうか。また、拾い食いによって、犬にどのような影響が出るのでしょうか。今回、いぬのきもち獣医師相談室の丸山知美先生が解説します。
拾い食いしやすい犬の傾向
「拾い食いは、好奇心旺盛なタイプのコや、食いしん坊なコに多く見られるように思います。なんでも口に入れてしまいがちなので、注意が必要です」
犬の拾い食いでよくあるケースと、食べたときに見られる症状
「拾い食いをしてしまうものについては、ある特定のものに反応する犬もます。たとえば…
- 木の枝、石、葉っぱ、土などに反応するコ
- 食べ物に反応するコ
- プラスチック製品に反応するコ
- 虫などに反応するコ
- タバコに反応するコ
- ほかの動物のウンチに興味を示すコ
- 布製品に反応するコ
「食べられるものであれば、おなかを壊したり、嘔吐くらいで済むケースもあります。しかし、食べられないものに関しては胃内異物になってしまい、手術や内視鏡の摘出になることも。腸閉塞になれば、開腹手術になってしまうこともあります。
また、タバコ、薬剤や農薬、植物の中には、毒性が強いものもあります。毒性の強いものを口にすると、激しい嘔吐、沈うつ、痙攣など生死にかかわるケースもあるかと思います」
愛犬が拾い食いをしたときの飼い主さんの対応
「まずは、愛犬が『いつ、どこで、どんなものを拾い食いしてしまったか』を、できる限り思い出してください。さらに、愛犬に今どのような症状が起きているかを注意深く観察します。
そのうえで、できるだけ自己判断をせず、症状の有無に関わらず動物病院にその旨を伝え、受診の必要性を尋ねるのが一番だと思います」
愛犬の拾い食いを防ぐためにできること
「お散歩中は、飼い主さんが愛犬よりも先に落ちているものを確認できるように、目を離さないことだと思います。たとえば…
- 視界が悪い場所を避ける
- 夜の散歩ではライトを使用するなどして、落ちているものがないかの確認をする
このほか、植え込みや茂みなどには何が落ちているかわからないので、愛犬を入らせないようにするのも予防になると思います。
また、常日頃から愛犬とアイコンタクトを欠かさずに行うなど、飼い主さんに意識を向けるトレーニングをすることも、いざというときに役に立ちます。
愛犬が落ちているものに興味を誘われたときにアイコンタクトをしたり、名前を呼んだり、状況に応じておやつなどを見せるなどしてみてください」
「飼い主さんがさまざまな努力をしても、愛犬の拾い食いが改善されないこともあると思います。
危険だと判断される場合は、お散歩のときだけは割り切って口輪などを使い、物理的に拾い食いをさせないよう対策をするのもひとつの手段かもしれません」
愛犬が拾い食いをしないように、飼い主さんは十分に注意してあげましょう。日頃から対策できることは、ぜひ意識的に行ってみてくださいね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・丸山知美先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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