愛犬の性格が変わるワケ
犬はさまざまな要因によって、性格が変わったり、変わったように見えたりする場合があります。赤ちゃん期を終えて仔犬になったとき、仔犬から成犬になったとき、成犬からシニア犬になったときなど、体の成長と共に心も徐々に変化していくのです。
愛犬の性格が変わったからといって、そこまで心配すぎる必要はありませんが、飼い主さんにとっては急なことなので戸惑ってしまいがちですよね。特にシニア期になると性格が変わる子が多いようなので、いくつかの例をご紹介します。
ケース1「老化と共にお留守番が苦手に」
【症状】
元々、一人きりになることが少なかったわんちゃんですが、シニア期になると、輪をかけてお留守番を嫌うようになってしまったそうです。お留守番の雰囲気を察すると、泣きそうな顔でうなだれてしまうので、なかなか一人にさせることができないのだそう。
【原因】
この場合は、お留守番が「非日常」になってしまったことが大きな原因です。普段と違う空気や、誰もいない部屋に不安を覚えています。また、年齢と共に感覚器官の衰えが出始め、不安感が増したおそれもあります。
【対処法】
周りが見えると不安になってしまうので、お留守番の際は、クレートに入れて布をかけてあげると落ち着きます。難しい場合は、テレビやラジオをつけっぱなしにして外出すると、気が紛れて不安感が薄れますよ。
ケース2「テレビの音におびえるようになった」
【症状】
テレビのクイズ番組から聞こえる「ピンポン!」という音を、異常に怖がるようになってしまった9歳のわんちゃん。「ピンポン!」だけでなく、雷や花火、屋根の雪がどすんと落ちる音などにも過剰に反応し、震えて怖がるようになってしまったそうです。
【原因】
この行動は、老化と共に、音の刺激に弱くなったことが原因と考えられます。
【対処法】
音に怯えているようなら、おもちゃやフードで気を紛らわせてあげるのがおすすめです。また、外に出ることで気分転換になるのなら、お散歩に連れ出してあげる方法もあります。もし何をしても乗ってこない場合は、かなり怖がっているので、まずは静かな環境でゆっくりさせてあげましょう。苦手な音を聞かせながら、わんちゃんが大好きなおやつをあげて、徐々に音に慣れさせてあげる方法も有効です。
ケース3「一人ぼっちを好むように…」
【症状】
ふと様子を伺うと、部屋の隅や玄関でじっとするようになった10歳のわんちゃん。3歳の同居犬からの遊びの誘いを避けたり、飼い主さんがかまってあげると、鬱陶しそうにすることが増えたようです。
【原因】
犬の10歳は人間でいう64歳なので、運動欲求が低下して「遊ぼう!」という気持ちが薄れた可能性があります。3歳の若者の元気いっぱいなテンションについていけないのは、ある程度は仕方ないですね。飼い主さんがかまってくれているのに喜ばないのは、もしかしたら飼い主さんへの信頼度が低下しているのかもしれません。
【対処法】
まずは飼い主さんへの信頼度の回復が最優先。手からフードを与える、一緒にいる時間を増やすなど、楽しい時間を重ねて絆を深めていきましょう。また、若いわんちゃんとの遊びの時間を増やせば、10歳のわんちゃんへの遊びの誘いも減るはずです。
シニア期になると体の衰えから、性格が変わったように見えることが多いようです。飼い主さんは「なぜ性格が変わったのか」をよく考えてあげて、適切な対処法をとってあげてくださいね。人間と同様に、お年寄りわんちゃんも優しくいたわってあげましょう。
出典/「いぬのきもち」2016年7月号『愛犬の性格が変わった!?にアドバイス』(監修:しつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表 西川文二先生)
文/higarina
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。