なぜストレスを感じると「かゆがるしぐさ」をするの?
犬は皮膚病などが原因で体がかゆい場合以外にも、不安や緊張、葛藤などのストレスを感じると、「かゆがるしぐさ」をすることがあります。これは、体をかいたり、なめたりすることで、自分の気持ちをなだめようとするためだと言われています。
数回、あるいは数秒間、体をかいたり、なめたりする分には心配ありませんが、もしも、何回も何回も「かゆがるしぐさ」をしているのであれば、声をかけたり、遊んだりして気持ちを紛らわせてあげてください。それでは、どんな場面で犬が「かゆがるしぐさ」をしたら、ストレスが原因の可能性があるのでしょうか?考えられるシーン別に原因や対処法をご紹介します。
【その①】しつけのトレーニング中
「苦手なトレーニングだけど、ご褒美のおやつは欲しい」といった葛藤を、トレーニング中に感じると、体をかいたりブルブルと体を震わせたりすることがあります。一見すると、怠けているように見えるかもしれませんが、決してそういうわけではないので、絶対に叱らないであげましょう。トレーニングの方法を変えたり、ご褒美を変えたりすることで、犬もストレスなく楽しくトレーニングを続けられるようになるかもしれませんよ。
【その②】お手入れ中やお手入れ後
爪切りやブラッシングが苦手な犬の場合、その緊張感や不快感を紛らわすため、なめたりブルブルしたりして「かゆがるしぐさ」をすることがあります。
この場合は、お手入れの時間を、短時間に納める工夫をしてあげるのが大切ですが、ただ単にブラッシング後に毛を整える目的でなめている場合もあります。もしもブラッシング後にだけ「かゆがるしぐさ」をする場合は、そこまで気にする必要はないでしょう。
【その③】慣れない場所や苦手な場所にいる時
動物病院やドッグカフェなど、犬にとって苦手な場所にいると、「この場所から出たいのに出られない」というストレスを感じてしまい、体をかいたり、なめたりして、気持ちをほぐそうとします。この場合、可能なら一度その場を離れるなどして気分転換させたり、抱っこしてあげたりするなどして対処してあげるようにしましょう。
【その④】初対面の犬や苦手な犬と会った時
犬は散歩中など、初対面の犬やよく遭遇する苦手な犬とすれ違うと、何度も体をカキカキしたり、ブルブルしたりすることで緊張を和らげようとすることがあります。また、他の犬に対して吠えた後、その興奮を落ち着かせるために、体をブルブルして「かゆがるしぐさ」をすることもあると言います。
この場合は、苦手な犬が来たら近づけないようにしたり、ポジティブな言葉を犬にかけてあげたりすると犬のストレスは軽減すると場合があります。また、苦手な犬とすれ違う時におやつをあげることで、印象が変わることもあるそうですよ!
犬はさまざまな場面でストレスを感じ、「かゆがるしぐさ」をすることがわかりました。もしも、「かゆがるしぐさ」をすることがあれば、気分を紛らわせてあげるように、飼い主さんも上手に対処してあげてくださいね!ただし、皮膚病の可能性もあることをお忘れなく。
出典/「いぬのきもち」17年4月号『犬のかゆがるしぐさの理由』(監修:獣医師 荒田明香先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。