犬のマウンティングの意味を知っておこう
犬の「マウンティング」と言うと、性的行動のイメージが先行しがちですが、必ずしもそういうわけではありません。性的行動ではないマウンティングには、飼い主の足や腕、おもちゃやぬいぐるみなどに対して行うものがあります。このため、性的意味を持たないマウンティングはメス犬にも見られます。
犬はどんな時にマウンティングをするのか?
性的行動でないマウンティングは、大きく次の3つに分けられます。
①犬同士の場合:相手よりも自分が優位であることを示している
②おもちゃやぬいぐるみに対する場合:対象物への支配行動のためにすることがある
③飼い主に対する場合:喜びの表れであり、嬉しくて興奮している場合がある
このように、マウンティングをする対象によって、犬の心理状態やその意味が異なるのです。
愛犬のマウンティングをやめさせたい!
愛犬のマウンティングの理由が分かったとしても、人が見ている場所でされると少し恥ずかしいものですよね。できればやめさせたいと思っている飼い主さんも多いと思います。ここでは、飼い主さんへのマウンティング行為をやめさせるために効果的なしつけの方法を、2つご紹介したいと思います。
1. 部屋を移動して無視をする
意外にも効果てきめんなのが「無視」をすることです。室内でマウンティングをされた時は、別の部屋に移動して無視をしましょう。この時に気をつけたいのが、中途半端に相手をすることなく、心苦しいですが徹底的に無視をすることです。逆に声を荒げて叱ってしまうと、相手をしてもらえたと勘違いをしてしまいます。むやみに叱るのは控えましょう。
ひとり残された愛犬は、次第に興奮がさめて落ち着きを取り戻すので、落ち着いたら存分に構って褒めてあげましょう。
2. 黙って振り払う
愛犬の喜び表現を振り払ううのは気が引けますが、しつけと割り切って、黙って振り払うようにしてみましょう。それと同時に、できるだけ犬がマウンティングできないような姿勢をとるようにも心がけます。もちろんこの場合も、犬が落ち着いたらたくさん遊んで褒めてあげることを忘れないようにしましょう。
しつけのコツはハッキリと態度で示すこと
犬のマウンティングには、その時の心理状態が関係していて、しっかりとした理由があることがわかりました。いくら効果的な対処法といっても、愛犬を無視したり振り払ったりと、できればしたくない行為ですよね。しかし少しでも可哀想かな?という気持ちが出てしまうと「しつけ」にはなりません。
ここで頑張らないと、ゆくゆくは愛犬のためにならないんだ!と心を鬼にして、しっかりとしつけをするようにしたいですね。なお、しつけの後には余すことなくかわいがってあげる、ということも忘れないでくださいね。
出典/「いぬのきもち」獣医相談室発 ベテラン飼い主さんが勘違いしやすいQ&A30(監修:いぬのきもち獣医師相談室)
文/うちみ
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。