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【獣医師監修】犬の臭いの原因、対策、気になる予防・消臭法まで

犬と暮らすと、さまざまな臭いが気になるものですよね。愛犬の体の臭いのケアを心がけると、体調の異変に気づきやすくもなります。部屋など環境の臭いに気をつけることは、飼い主さんと愛犬がストレスなく暮らせるためにも重要です。ふだんから臭いの対策をして、愛犬と爽やかに過ごしましょう!

加藤 憲一 先生

 獣医師
 相模原プリモ動物医療センター院長

 日本大学生物資源科学部獣医学科卒業
 麻布大学附属動物病院腫瘍科専科研修医
●資格:獣医師/日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種

●所属:日本獣医がん学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/腫瘍科/画像診断科

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犬の体から出る臭いの原因と対策は?

犬の耳の臭い…耳アカや汚れが耳のニオイの原因に

犬の耳の中は湿度が高く、カビや雑菌が繁殖しやすいため、どうしても臭いやすくなります。菌の繁殖を放っておくと、外耳炎などの病気にも。月1回を目安に汚れを拭き取りましょう。

犬の耳の臭いの対策法は?

・汚れが少ない場合は、水で濡らしたコットンで耳介の汚れをやさしく拭き取りましょう。
・耳の穴が汚れている場合は、耳洗浄液を耳の穴の中央部に数滴垂らしてから、耳の付け根を軽くもんで、洗浄液を耳の穴全体に行きわたるようにします。

犬の口の臭い…歯に付着した食べカスが口臭の原因に

愛犬の歯についた食べカスは、放っておくと歯垢や歯石がたまり口臭の原因になります。深刻な歯周病を招く恐れもあるので、1日に1回を目安に口内のケアをしましょう。口内ケアの基本は歯みがきですが、難しい犬はそれ以外のケアから始めてもよいでしょう。

犬の口の臭いの対策法は?

・ガーゼを指に巻き、水や犬用歯みがきペーストをつけて、犬の歯に軽く当てて、汚れをやさしく落とします。慣れてくれば犬用歯ブラシを使って磨くこともできるようになります。
・ペット用マウススプレーを、犬の口の横から口内に吹きかけます。
・噛むことが好きな犬は、噛んで歯をきれいにする歯みがきガムを与えます。
・ペット用マウスクリーナーを飲み水に入れておくと、水を飲むたびに口内洗浄ができます。

顔まわりの臭い…唾液や涙などの汚れが顔まわりに付着してニオイの原因に

唾液、涙、食べこぼしなどで汚れる顔まわりは、細菌が増殖して臭いやすくなります。放っておくと皮膚炎の原因になることも。スキンシップがてら毎日チェックして、汚れはこまめに拭きましょう。

犬の顔周りの臭いの対策法は?

・顔全体は、汚れ落とし効果のあるブラッシングスプレーをタオルに吹きかけ、顔の中心から犬の目を避けるようにして、毛並みに沿ってやさしく拭きます。短頭種の場合は、コットンにブラッシングスプレーを吹きかけ、シワを広げながら顔の外側に向かって拭きましょう。
・口元は、水で濡らしたタオルを30秒ほど口元に当て、汚れをふやかした後に拭きます。
・涙やけは、タオルにブラッシングスプレーをつけ、涙の汚れに沿ってやさしく拭きましょう。

皮膚・被毛の臭い…汚れと分泌された皮脂がニオイの元に

犬の体は皮脂を多く分泌するほか、被毛に汚れがつきやすいため、臭いやすくなります。放っておくと皮膚炎になる恐れもあるので、シャンプーは月1~2回を目安に行いたいですね。

犬の皮膚・被毛の臭いの対策法は?

・ブラッシングで臭いを予防しましょう。汚れ落とし効果が期待できるブラッシングスプレーをかけて、毛並みに沿ってブラッシングをします。散歩後に毎回行うことで、汚れと臭いの予防になります。
・二度洗いシャンプーで臭いを予防しましょう。下洗いして軽くすすいだ後、もう一度シャンプー液をつけて、皮膚をもむように洗いましょう。シャンプー後は水気を残さずしっかり乾かすことで、ニオイも防げます。
・臭いにくいカットをして防ぐ方法もあります。肛門まわりの毛が伸びているとウンチがつきやすくなり、臭いの原因に。トリミングサロンで肛門まわりの毛を短くカットしてもらえば、臭い予防になります。蒸れやすい耳の毛も短くカットしてもらうとよいでしょう。
・マイクロバブルで落とす方法もあります。ニオイの原因となる頑固な毛穴の汚れは、トリミングサロンなどにある、マイクロバブルで落としてもよいでしょう。

犬の排泄物の臭いの原因と対策は?

オシッコの臭い…トイレグッズの雑菌が繁殖してニオイのもとに

オシッコ自体が臭うものですが、オシッコが付着したトイレグッズをそのままにしておくと、雑菌が繁殖し、より強いニオイを放つようになります。トイレグッズの清潔維持を心がけると、ニオイの解消にもつながります。

オシッコの臭いの対策法は?

・汚れたトイレシートは、すぐ取り替えましょう。1回ごとにシートを替えれば、臭いにくくなります。
・こまめにシート交換ができないときは、消臭効果が高い香りつきのトイレシートを使うと、ニオイの緩和になります。
・トイレトレーは、ペット用の除菌・消臭スプレーを吹きかけ、キッチンペーパーなどできれいに拭きます。毎回こまめに拭けば、臭いにくくなります。
・粗相は水で薄めて拭き取りましょう。フローリングなど、木材の床で粗相した場合、そのまま拭くと床にニオイが残りやすくなるので、霧吹きなどで水をかけてから一気に拭き取って。仕上げに消臭スプレーをかけます。
・使用済のトイレシートは、フタ付きのゴミ箱に捨てると臭いにくくなります。

ウンチの臭い…腸内環境が影響して臭うことも

ウンチは老廃物なので、もともと強く臭うものです。食べているフードやおやつの成分、腸内細菌のバランスが崩れると、さらにニオイが強まることもあります。

ウンチの臭いの対策法は?

・ウンチはすぐ片付けましょう。愛犬が排泄後、すぐにウンチを取り除けば、ニオイの拡散を防げます。
・排泄した場所に消臭スプレーを上からかければ、漂うニオイを軽減できます。
・フードを替える案も。ウンチが臭くてたまらない場合、フードの影響も考えられます。
・フードにヨーグルトをトッピングする方法も。味のついていないプレーンヨーグルトを小さじ1杯ほどフードに混ぜて与えると、腸内環境のバランスを整える効果が期待できます。

犬がいる部屋の臭いの原因と対策は?

玄関の臭い…さまざまな部屋のニオイが集まってこもりやすい

玄関は、愛犬の体臭や各部屋の臭いなどが集まり、こもりやすい場所です。帰宅時や来客時は特に臭いが気になりますね。

玄関の臭いの対策法は?

・1日1回は玄関の空気を入れ替えましょう。ドアの開閉の際は、必ず愛犬をハウスに入れてから行います。
・臭いの元の近くに芳香消臭剤を置くと、より消臭効果が期待できます。

リビングの臭い…料理や排泄物のニオイが混ざりやすい

リビングは愛犬や家族が長時間過ごす場所。料理や家族、愛犬の臭いが混在しています。長年の臭いがしみついたカーテンやじゅうたんといった布製品が、臭いの発生源になっていることも考えられます。

リビングの臭いの対策法は?

・換気扇と窓開けでしっかり換気をします。朝は空気の入れ替え時なので、起きたらまず窓を開けて、新鮮な空気をリビングに入れましょう。リビングとキッチンがつながっている場合は、キッチンの換気扇をオンにすると、さらに嫌な臭いが取り除けます。
・トイレトレーがリビングにある場合、近くに脱臭機能つきの空気清浄機を置くと、排泄のニオイも軽減できるでしょう。
・来客時など、すぐに消臭したい場合は、除菌・消臭効果のあるスプレーを高い位置から全体にかけるとよいでしょう。

布製品の臭いの対策は?

・付着している抜け毛を取り、消臭スプレーをかけてから洗濯しましょう。洗濯ネットに入れて洗ったら、天日干しにすると、臭いの元を殺菌できてよりよいでしょう。
・洗える布をかけて臭いを予防するとよいでしょう。臭いがつきやすいソファやじゅうたん、犬用ベッドには、洗濯できる布やタオルをかけるとよいですね。かけた布類をこまめに洗濯すればニオイそのものを防げるでしょう。

愛犬の臭いは日々のケアが大切!

愛犬の体をこまめに拭く、ブラッシングをする、臭いの元を消臭する、などなど日々のケアで、飼い主さんの「ニオイ」ストレスは減らせます。ちょっとした消臭方法を活用して、愛犬との絆をより強めたいですね。
出典:『いぬのきもち』2013年10月号「犬の気になるニオイ 消臭ワザ」(監修:ぬのかわ犬猫病院中田分院院長 石田陽子先生、二村陽子先生)
監修/加藤憲一先生(相模原プリモ動物医療センター院長)
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