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【1~2才と7才以降が要注意】行動療法の専門家が教える犬の分離不安~原因と症状、克服・予防法~

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犬を室内飼いすることが増えた昨今、問題になっている犬の「分離不安」。愛犬の困った行動がじつは「分離不安」だったなんてことも。犬の分離不安の原因や症状はどんなものか、克服法、予防法について、専門家がくわしく解説します。

犬の分離不安ってどんなもの?

分離不安とは、犬がかかる「心の病気」のことです。飼い主さんがそばから離れると、不安を感じて、そそう、吠え続ける、物を壊すなどの問題を起こします。とくに室内飼いの犬は、飼い主さんとの関係が密接になりがち。そのため、少しでも飼い主さんがそばを離れると、「もう帰ってこないのでは」と不安を感じてしまうのです。

分離不安予備軍は体形や性別には関係ない!

愛犬の体形や性別に関係なく、どんな犬でも分離不安になる可能性があります。常に飼い主さんが視界にいるような環境だと、犬は分離不安にかかりやすくなります。分離不安寸前の予備軍は多いと考えられます!

飼い主さんの姿が見えなくなって30分以内に困った行動が

分離不安の犬は、飼い主さんの姿が見えなくなって、すぐに不安な気持ちになります。この不安な気持ちは強まっていき、30分以内にピークを迎えるといわれます。留守中の様子をビデオカメラなどに撮ってチェックする場合は、最初の30分に注目するといいでしょう。

1~2才のころと、7才くらいがなりやすい

犬が心身ともに成熟する1~2才が、最初に注意したい時期。犬が1頭で過ごす時間を徐々に作るなど、自立心を芽生えさせて、予防しましょう。耳が遠くなり、視力が低下しはじめる7才以降もなりやすいので注意が必要です。

犬の分離不安によくみられる症状は?

分離不安の犬は、飼い主さんの留守中に不安を強く感じて、困った行動を起こします。1)吠え続ける、2)そそう、3)物を壊す、の3つがよく見られる症状です。

困った行動1)吠え続ける

飼い主さんといるときにはめったに吠えない犬が、留守番中吠え続けているようなら、分離不安を疑って。ただし留守番中だけでなく、ふだんから外の物音に吠える場合は、警戒心によるもので、分離不安の症状ではありません。

困った行動2)そそう

いつもは正しい場所で排泄するのに、留守番時だけそそうするケースは要注意! ただし、ふだんより長く留守番をさせたときのそそうは、トイレシーツの汚れや、我慢できなかったことが原因かもしれません。

困った行動3)物を壊す

留守番中に限って愛犬の破壊行動が見られたら、分離不安の可能性あり。ただし、ゴム製のおもちゃなど噛んでいいものを与えて留守番させたときに破壊行動がない場合は、単なるイタズラなのかも。

分離不安が重い場合の症状と治療法

分離不安がひどい場合は、留守番中の問題行動(吠え続ける、そそう、物を壊す)だけでなく、体の病気と同じような症状が出ることもあります。1)下痢をする、2)吐く、3)震える、4)硬直する、5)足元をなめる、6)用意したフードをまったく食べない、といった症状が代表的。重い分離不安の場合は、犬の問題行動を治療する専門家にかかる必要があるでしょう。

症状1)下痢をする

留守番前にしたウンチは、適度な硬さだったのに、帰宅後、下痢ウンチをしていたら、分離不安かもしれません。不安や緊張を感じると、犬もストレスによる下痢症状が出ることがあります。

症状2)吐く

分離不安のひどい犬は、ずっと1頭でいると不安な気持ちがますます強くなり、嘔吐することがあります。飼い主さんがいない寂しさによるストレスが原因で吐いてしまうのです。

症状3)震える

犬は、寒さ以外にも不安を感じて震えることも。飼い主さんの外出の気配を感じた犬が震えていたら分離不安の可能性大。留守番中は、その場にいないとわからないので、ビデオカメラなどで撮影しておくといいでしょう。

症状4)硬直する

不安な気持ちから、筋肉が収縮し、体が硬くなることも。それはつまり緊張が続いている状態を表し、分離不安がかなりひどい場合の症状のひとつです。飼い主さんが外出する気配を感じて、体をこわばらせる犬もいます。

症状5)足元をなめる

不安な気持ちを解消しようと、自身の足先をしきりになめることも。外出から帰ってきて、愛犬の足を触ったら、濡れたり湿っていたりします。

症状6)用意したフードをまったく食べない

おなかがすいたときのためにフードやおやつを用意して外出したのに、帰宅してみると、用意しておいた食べ物に口をいっさいつけていない……。それは、犬が不安な気持ちが強く、食べる気になれないからです。

治療は薬物療法と行動療法を併用

留守番中の問題行動(吠え続ける、そそう、物を壊す)や、上記の症状が愛犬にいくつかみられる場合は、重い分離不安の可能性が高くなります。飼い主さんでは解決できない段階の場合が大半のため、まずは、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。犬の問題行動を治療する専門家による治療は、不安な気持ちを軽減する薬を飲ませることと、犬が1頭でも問題なくなる練習(行動療法)を併用して行うのが一般的です。

軽い分離不安は克服できる!

体の症状が出ていないなど、軽度の分離不安の場合は、飼い主さんが対応を工夫することで克服が可能です。「1頭でも大丈夫」「飼い主さんがいなくなっても、必ず帰ってくる」と、愛犬に根気よく教えるのがポイントです。

対応1)短い時間から、1頭で過ごさせる

飼い主さんの出発と不在に犬が慣れるように、留守番の練習を地道に行いましょう。飼い主さんがドアを閉め、部屋に犬を1頭だけにします。最初は5秒、10秒と短い時間にし、犬が1頭でも問題なくいられる間に、ドアを開けて犬と対面します。時間を徐々にのばして、犬だけでいることに慣れさせましょう。

対応2)留守番のとき、寂しくならないよう工夫する

留守番時、犬に楽しみを与えるのも行動療法のひとつ。犬が大好きなおもちゃを用意するのがおすすめ。また、ラジオやテレビをつけておいたり、飼い主さんのニオイがついた洋服を与えたりして、犬が寂しくならないように工夫してあげて。
※洋服を与える場合は、誤飲防止のため、ボタンなどを取ってから渡しましょう。

分離不安の予防になる日ごろの接し方

今は分離不安の心配がなくても、常に抱っこされたり、いつも体を触られていたりしたら、飼い主さんと片時も離れられない犬になってしまうかも。愛犬を分離不安にさせないために、日ごろから予防もしておくといいでしょう。

1)在宅中でも愛犬を無視する時間をあえてつくる

飼い主さんが用事をしているときや、テレビや読書の時間などは、犬にかまわないで。無視する(見ない、触らない、声をかけない)時間を意識的につくって、1頭でも落ち着いていられる犬にしましょう。

2)指示しつけ「マッテ」で離れる練習をする

マッテの指示も、分離不安の予防法のひとつです。飼い主さんが犬から離れることで、犬が1頭でも問題なくいられるようになります。練習するときは、最初は1歩離れる程度にし、徐々に離れる距離を延ばしていくのがコツです。

3)自分だけで遊べるおもちゃで遊ばせる

1頭でも大丈夫になる練習に適しているのが、ゴム製おもちゃなどの知育玩具。中におやつを詰めたり、チーズをたっぷり塗り込んで与えましょう。「1頭で遊んでいても楽しい」と犬に教えます。

犬の飼い方の変遷から、飼い主さんが愛犬に依存しすぎて、犬が分離不安を引き起こす例が増えているようです。「常に抱っこしている」「いつも体を触っている」などの飼い主さんの接し方が、犬を分離不安になりやすくしてしまうのだとか。自分の愛犬への接し方を見直し、適度な距離感も大切にしたいですね。

出典:『いぬのきもち』2008年8月号「もしかして分離不安かも?」(監修:武内ゆかり先生)

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