吠え続ける愛犬に困った
Q犬を車に乗せると、目的地へ着くまでずっと吠え続けています。吠えないようにするにはどうしたらいいでしょう?
A.吠えやむまで車から降ろさないようにしましょう。
車の中で犬が吠える理由
車に乗せて目的地へ着くまでずっと吠え続けるということは、「早く目的地へ連れていってほしい」「目的地で早く遊びたい」と犬が自分のしたいことを要求して吠えている可能性が大です。車で行く場所が、ドッグランや公園など犬が楽しく遊べるところであると察知して、うれしくて「早く~」と興奮して吠え続けるのです。このような場合、まずは車から降ろすときに愛犬にフェイントをかけることが大切です。つまり、吠えていると車から降ろしてもらえない=楽しい場所へ行けない、逆に落ち着いていると車から降ろしてもらえる=楽しい場所へ行けるということを教えていくのです。
車が目的地に着いて止まるときというのは、いつも同じ手順が行われ、決まった音がします。「駐車場へ入るときのウィンカーの音→停止するときのハザードランプの音→(車が停まる)→エンジンを止める音→キーを外す音」といった一連のしぐさや音が、犬に「楽しい場所に着いたこと」の合図になって、それで犬は興奮して吠えるようになります。
愛犬の要求にこたえないことが大事
そこで、車が停まっても、すぐに車から降りないようにします。新聞を読んだり、携帯電話を見たりして、吠えている犬の相手をしないこと。「静かにして」など言葉をかけるのもやめて、放っておきましょう。家族がいっしょの場合は、一人を愛犬といっしょに残し降車してしまってかまいません。車が停まったからといって必ずしも降りられるとは限らないこと、家族が降りても自分は降りられないこともあることを犬に覚えさせるのです。そして、犬が吠えやみ、落ち着くことができたら、車から降ろします。これを繰り返すことで「落ち着いたら、車から降りて、楽しい場所へ行ける」と犬は学んでいきます。
トレーニングする上での注意点
ただし、このトレーニングのむずかしいところは、愛犬が吠えやむまで飼い主さんが忍耐強く待たなければいけないこと。また、犬が吠え続けてもまわりに迷惑がかからない駐車場で行うなどの配慮も必要です。トレーニングをするなら、車内でエンジンをかけずに待つこともあるので、熱中症などにならないように、涼しく過ごしやすい季節や時間帯を選びましょう。
監修/戸田美由紀先生(ドッグトレーナー)
文/犬神マツコ