愛犬がひんぱんにするクセのようなしぐさや行動はありませんか? じつは、それには犬なりの理由があるようです! 今回は、散歩中の愛犬の不思議な行動に注目。その理由を獣医学博士の増田宏司先生に解説していただきました。
ひたすら白線の上だけを歩こうとする
東京都 Emmaちゃん(メス・1才/3.2kg/パピヨン/陽気で好奇心旺盛)
【飼い主さんのコメント】
散歩にようやく慣れてきた生後6カ月あたりから、決まったように白線の上を歩こうとするように。景気づけなのかお尻を振ったあとにスタートします。
【増田先生の回答】なんだか気に入って決めたマイルール!
まるでダンスステップを踏むように走る
東京都 Oreoくん(オス・1才/6.2kg/ミニチュア・シュナウザー/やんちゃで甘えん坊)
【飼い主さんのコメント】
散歩のときは、飛び跳ねるようにダッシュ! リズミカルで、ダンサーのようなので、見るとキャーキャー喜んでしまいます。
【増田先生の回答】気分が高揚した動作を喜ばれて、ひんぱんに披露するように
犬は、「うれしい」「楽しい」などと気分が高揚したときにスキップのような走り方になることが。Oreoくんの場合も同様の気持ちでやり、飼い主さんが喜んだのを覚えていて、気をひくためにするようになったのでしょう。
※気分が高揚していそうなときだけでなく、ひんぱんに行うなら、膝蓋骨脱臼など足の病気の場合もあるので、獣医師に相談を。
人の子どもが、白線の上だけを歩いたり、壁際スレスレで歩いたりする行動を目にすることがありますよね。それと同じで、楽しかったり安心したりなど、「気に入ったからここを歩く」といった自分なりのお決まりがクセづいたといえそうです。
すべてのマンホールを必ず避ける
東京都 もかちゃん(メス・1才/3.9kg/ミックス/甘えん坊で人好き)
【飼い主さんのコメント】
どんなマンホールの上も避ける強いこだわりが。引っ張っても踏ん張って乗ろうとせず、かたくなに拒みます。
【増田先生の回答】嫌な経験を忘れられず、拒否反応が定着したのでしょう
もかちゃんの場合は、「歩きにくい」「痛い」「熱い」など、なんらかの嫌な経験があり、マンホールを避けるようになったと考えられます。嫌な経験はトラウマになりがちです。無理やり歩かせるとさらに恐怖心が募ることになるので、ルートを変えたりするといいでしょう。
いかがでしたか? 増田先生によると、こうしたクセのような行動のなかには体の不調が隠れているケースもあるそうです。「このクセは変かも」と思ったら、念のため獣医師に相談すると安心です。
お話を伺った先生/獣医師、獣医学博士 増田宏司先生
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『そのクセ、なぜするの?』
写真/読者提供
イラスト/二階堂ちはる
文/いぬのきもち編集室