年末年始は室内における犬のトラブルに注意が必要です。イベントが続くこの時期は、とくに誤飲やのどの詰まりなどの事故に注意する必要があるでしょう。ダイニングキッチンで犬の身に起こりうる危険を、ノヤ動物病院院長の野矢雅彦先生に教えてもらいました。
年末年始に誤食や食べ詰まりのトラブルが多いワケ
一年を通して誤飲は多く見かけますが、年末年始はとくに増えるそう。その理由として、ふだんは食べないような愛犬の興味を引くごちそうが食卓に並ぶこと、見慣れない装飾品が室内に飾られることがあげられます。
飼い主さんも気持ちがせかされるので、愛犬に注意が注げず、誤飲を未然に防げないことも理由のひとつとされています。
ダイニングキッチンは要注意! 誤飲すると危険な食材が
ハムや焼き豚に巻かれたひもで腸を損傷することが!
犬がハムや焼き豚に巻かれたひもを食べると、腸を損傷する心配が。飲み込んだひもが腸にからまった状態で蠕動(ぜんどう)運動が行われると、ひきつれた腸が血行障害を起こし、壊死(えし)してしまうおそれがあるのです。
ひもの一部が出ていても、引っ張るのは危険
万が一、飲み込んだひもの一部が口から出ていたとしても、引っ張るのは危険です。ひもが腸に達していると、切れたり、裂けたりする危険性があります。
処分した鶏肉の骨も消化管を損傷する原因に
鶏の骨は、割れると先がとがって危険です。食道や腸管に刺さるおそれがあります。ごちそうの飾りに使うフードピックや楊枝も同様に注意が必要です。
おすそわけも、まるのみして詰まらせかねない!
カットしたステーキ肉でも、肉片の大きさや犬の体格によっては危険です。うれしくてまるのみし、のどや食道に詰まらせてしまう危険性が。
来客がよかれと思って与えてしまったり、お酒に酔った勢いで与えたりすることがないように。来客には、「フード以外は食べさせない」ことを伝えておきましょう。
ここで紹介した事例のほかにも、ねぎを入れて作った鍋料理のスープや、串に刺さった焼き鳥なども中毒や事故につながり危険です。人の食べ物が愛犬の口に入らないよう、万全の対策をしましょう。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2022年12月号『ATTENTION! “ちょっといつもと違う”から誤飲・ケガが起きやすい! 年末年始の室内トラブルハザードマップ』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。