愛犬の皮膚や目に、乾燥が原因と思われるトラブルは起きていませんか? フケやかゆみ、赤みなどの不調を愛犬に感じさせないためには保湿が大切です。犬の皮膚が乾燥する理由とその原因を、獣医師の山岸建太郎先生に聞きました。
春先に皮膚トラブルが起きる理由
全身を被毛で覆われている犬は、人よりも皮膚が薄くなっています。まだ空気が乾燥する季節は乾燥が病気の引き金になることもあるのです。
皮膚トラブルの予防には「保湿」が大切
乾燥を防ぐために大切なことは保湿です。生活環境やお世話を見直して、病気やトラブルを予防しましょう。
犬が乾燥する3つの原因
空気の乾燥もありますが、なかには生活環境やお世話が原因になることも。飼い主さん自身が乾燥を招いていることもあるので、思い当たる原因がある場合は環境の改善が必要です。
部屋の温めすぎは水分を蒸発させる
暖房の温度設定を高めにしたり、愛犬のハウスやベッド周辺に暖房器具を置いていたりするご家庭も。温めすぎは空気中の水分が一気に蒸発して、愛犬の皮膚やのど、眼球を乾燥させやすい環境ができてしまいます。
シャンプーをやりすぎると皮膚のバリア機能が落ちる
シャンプーには洗浄効果がありますが、頻度が高すぎると、皮膚が本来持っている保湿成分や刺激から守る成分まで洗い落としてしまいます。適切な頻度や方法であれば問題ありませんが、やり過ぎは肌が乾燥する原因になるでしょう。
栄養バランスの乱れは免疫機能を落とす
皮膚は全身をおおい、外敵から体を守る最大の免疫機能。栄養バランスの乱れは免疫機能の乱れを招き、皮膚を乾燥から守る機能も低下させてしまいます。
乾燥に起因する病気やトラブルに注意しよう!
乾燥による皮膚のバリア機能の低下は、さまざまなトラブルの原因に。年中エアコンの効いた室内で過ごす犬は、この生活を続けると筋力や寒さへの耐性が低下して冬は暖房器具の側で過ごしがちになるでしょう。
肌が乾燥しやすくなるので、次のような病気の悪化や、皮膚や目のトラブルに注意が必要です。
乾燥が悪化させる病気
- アトピー性皮膚炎
- 膿皮症
- マラセチア性皮膚炎
- ドライアイ(乾燥性角結膜炎)
乾燥によるトラブル
愛犬を乾燥から守るためには、今ある保湿力をキープして潤いをプラスしてあげることが大切です。乾燥による不調が起きていると感じる場合は、生活環境やお世話を見直して、愛犬に潤いを与えてあげましょう。
お話を伺った先生/山岸建太郎先生(本郷どうぶつ病院院長 日本獣医皮膚科学会副会長)
参考/「いぬのきもち」2023年2月号『乾燥を放置するととっても危険! 病気・トラブルを防ぐ冬の保湿ケア』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。