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老化を感じた愛犬の行動は?犬の行動の変化について獣医師が解説
老化に伴う行動の変化は、何才頃から始まる?
藤井先生:
「老化のスピードには個体差があり一概に何才というのは難しいですが、一般的に7才から“シニア期”とすることが多いです。大型犬の場合は、小・中型犬と比べ老化のスピードが早いため注意が必要です」
老化に伴う行動の変化は、犬種によって違いはあるの?
藤井先生:
「特定の犬種だから老化が早い・遅いということはありませんが、犬種によってなりやすい病気があり、そのために老化と思えるような変化を感じることがあるかもしれません。例えば、甲状腺機能低下症という病気は活動性の低下や脱毛などが見られ、診断を受けなければ、老化と捉えられてしまうこともあるでしょう。また、関節に元々トラブルを抱えている場合は、痛みから散歩を嫌がり寝てばかりになるなどの変化が見られることもあるでしょう」
老化に伴う代表的な行動変化
藤井先生:
「代表的な変化は次のとおりです」
- 散歩に行きたがらなくなる、散歩の距離が短くなる、疲れやすくなる。
- 動くのがおっくうになりトイレの失敗が増える。
- 耳が遠くなり呼びかけに反応しにくくなる。
- 階段や段差でつまずく、フローリングで滑ることが増える、階段などの前で動かなくなる。
- 散歩やおもちゃへの興味が薄れ、反対に食への執着が強くなる。
- 寝ている時間が長くなり、昼夜が逆転することも。
- 以前はあまり吠えなかったのに、何かあると吠える。
- 立ち上がったり座ったりするのに時間がかかる。
「これらの行動変化は背景に病気が隠れていることもありますので、老化だと早合点せず、病気がないか動物病院で診てもらいましょう」
老化に伴う行動変化、飼い主さんができるフォローは
藤井先生:
「次のようなフォローをしてあげるのがよいと思います
- フローリングの上に滑りにくいマットを敷く、滑りにくいコーティングを施す。
- 爪を切ったり足裏の毛をこまめにカットしたりして滑りにくいように整える。
- トイレはなるべく寝床から近いところに置き、段差がないように配慮する。おむつをつける練習をする。
- 日光浴をさせるなど、なるべく昼は起きているように工夫する。
- 少しでも体を動かす習慣を作る。(知育トイを取り入れる、カートで外出するなど)
- 獣医師のアドバイスのもとマッサージをして体をほぐす。
- 家族とのスキンシップをとる。
【調査】飼い主さんに聞いた「老化」を感じた愛犬の行動
※2023年3月実施「いぬのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数 50人)
※カッコ内は当時の愛犬の年齢
- 「走らなくなり疲れやすい」(トイ・プードル 6才)
- 「車にジャンプして乗りますが、なかなか乗れないときがある」(ラブラドール・レトリーバー 7才)
- 「寝ている時間が多くなった」(キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 7才)
- 「おもちゃを投げて取ってくる遊びをしなくなった」(チワワ 7才)
- 「散歩に行ったときに全力疾走しなくなった。段差を降りなくなった」(チワワ 9才)
- 「夜鳴き、昼夜逆転」(北海道 10才)
- 「お散歩のとき、つまずくようになった」(パグ 10才)
- 「階段の登り降りが遅くなった」(柴 11才)
- 「喜ぶ仕草が減った」(ミニチュア・ダックスフンド 12才)
取材・文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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