犬はふだん食べているゴハンの味をどう感じているのでしょうか。また、目の前のゴハンを残さず平らげる勢いの理由は何なのでしょう? 今回は、そんな犬の「味覚」と「食」に関する素朴な疑問について、哺乳類動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
犬が感じられる味覚は4種類
犬の味覚については諸説ありますが、「甘み」「塩味」「酸味」「苦み」は感じられると考えられています。ある実験の報告では、50リットルの水に小さじ1の塩が入っているかどうかを区別できるというデータも。今泉先生いわく、「犬は味覚が弱いとされることがありますが、案外味をわかっているかもしれません」とのこと。
ふだん愛犬が食べているゴハンも、これらの味を感じている可能性がありそうですね。
目の前のゴハンは残さずに食べる
犬はゴハンがあればあるだけ食べようとしますが、これはいつ食べ物にありつけるかわからない野生時代の「食いだめ」する習性が、現代の犬にも引き継がれているため。また、ゴハンを一気に食べるのは、「しとめた獲物をほかに奪われまい」と急いで食べる昔の名残だけでなく、「飼い主さんが出すゴハンは安全だとわかっているから」という理由もあるのだそうです。
犬の口はなんでも噛みたがる
犬はなんでも口にして噛む傾向がありますが、これは野生時代に獲物を噛んでしとめ、食べていたため。犬は生まれながらに、獲物をしとめる練習として、まわりのものをなんでも噛む習性をもっています。さらに、子犬の場合はそれがなんなのか噛んで確かめたいという気持ちも働き、家具やスリッパ、自分のハウスなども噛んでしまうようです。
甘さやしょっぱさ、酸っぱさもわかる犬の舌は、意外と味を感じているようです。どんなものが好きなのか、愛犬の味の好みが気になりますね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳類動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「いぬのきもち」2019年4月号『「ざんねんないきもの事典」シリーズで話題の今泉先生に聞いてみました! 犬ってどんな動物なんだろう?』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※紹介している情報やエピソードは一例で、すべての犬に当てはまるわけではありません。